二宮中学校(船橋市滝台1)で11月16日、同校出身者である前内閣総理大臣・野田佳彦さんの講演会が開かれ、生徒や保護者、近隣住民など約1200人が集まった。
生徒や保護者、近隣住民など約1200人が集まった(関連画像)
主催したのは同校おやじの会。毎年この時期には近隣住民も参加できるイベントを開いていたが、今年は以前より要望の声の多かった野田さんの講演会を開いた。
野田さんは、薬円台小学校26期卒。二宮中学校67期(昭和46年)卒業後、船橋高校、早稲田大学政経学部に進学。卒業後は報道記者を目指していたが、当時新聞広告で募集していた松下政経塾の第1期生に合格。5年間学んだ後、千葉県議会議員に立候補し、2回当選。その後、衆議院議員に6回当選し、2011年、第95代内閣総理大臣に就任した。
自衛官の家庭で育った野田さん。選挙は「コネなし、金なし、知名度なし」だったため、29歳から朝の6時~9時の間に毎日違う場所での演説を25年間続けたという。
野田さんのモットーは「素志耽々」。素志耽々とは、諦めないで志を高く持ち続けることだという。失敗とは諦めたときであり、続けている限り後退はないという。そして千葉県で2番目の総理大臣になった。ここでも「官僚でもない、2世でもない、金もない」というハンディがあったが、やる気があればなれる仕事だと語った。
野田さんが内閣総理大臣を務めた482日間は、「社会保障と税の一体改革」に尽力したという。現在の高齢者を支える3人に1人が、将来的には1人で1人を支える肩車時代がやってくる。そのため、これから育つ子どもを持つ家庭の応援に取り組んできたという。
日本の国益のために、約6800ある島の領有権も推進。7億円の予算を計上し、海域と資源の確保のために尽力したと振り返る。その他にも公邸の怪奇現象のうわさの真相や、国会答弁での苦労、外交などの激務の話を披露した。「野党としても将来の世代のために、二宮中学校の名に恥じぬよう全力で頑張ります」と誓った。
最後に、同校3年生の渡辺くんと蛭田さんからのお礼の言葉や花束贈呈が行われた。渡辺くんは「直接お話が聞けて感激しました。『素志耽々』と『諦めないで挑戦し続けること』を聞き、自分も誇りに思ってもらえるような人物になりたい」と力強く語った。