船橋市内の地名研究団体「船橋地名研究会」を主宰する滝口昭二さんが8月20日、船橋の街歩きと歴史の本「滝口さんと　船橋の地名を歩く」（崙書房出版）を刊行した。

「滝口さんと　船橋の地名を歩く」の本（関連画像）

　滝口さんは、船橋市内の小学校で社会科教員として長年勤務。在職中に公民館などから依頼されていた「地名から歴史を訪ねる街歩き」講座を定年後も継続。1997年から17年間、多い年で90回程度実施してきた街歩きの経験を一冊にまとめた。

　全編白黒のB5版290ページで初版は1000部。内容は、600を超える街歩きコースから船橋市内をくまなく網羅できる50コースを選別。出版の話が来てから地名研究会のメンバーで編集委員を組織し、約2年かけて微調整したという。読み手が飽きないよう約3分～5分のペースで見学を行えるコースの見直しも図った。

　船橋市内を「船橋地域」「葛飾地域」「二宮地域」「法典地域」「八栄地域」「豊富地域」の6つに区分、それぞれの地域で歴史的な建造物や史跡とそれにまつわる物語などを紹介している。

　各コースの冒頭でコースの全容を大ざっぱにまとめ、駅やバス停を起点に街歩きをスタートさせている。歩きながら見える景色などを描写することで読み手がさも街歩きに参加しているかのような臨場感を与えるとともに、道に迷わず散策できるよう工夫している。

　各コースには100万分の1精密地図を使用した周辺地図を挿入、街歩きに際し、全体を俯瞰（ふかん）してどの位置に居るのかが分かるようになっている。各コース紹介の間には、船橋の成り立ちに大いに関連のある名称をピックアップし、詳しく解説したページや、「船橋の地名と伝承」と題したコラムを組み込み読者の知的好奇心を満足させる仕掛けが張り巡らされている。

　価格は1冊3,000円。