京成船橋駅から御成街道をメーンとした場所で11月25日、「御成街道400年記念ウオーキングイベント」が行われた。
日枝神社境内の下宿自治会館で「家康公と船橋・三番瀬」を聴講する参加者たち(関連画像)
主催は市民団体「ふなばし街歩きネットワーク」。御成街道が造られてから400年たつのを記念して行われた同イベント。起点の西向き地蔵尊から日枝神社まで約2キロ、参加した21人が2時間の街歩きを行った。
同街道は徳川家康が1613(慶長18)年12月12日、佐倉藩主・土井利勝に命じ97か村を動員し、翌年1月6日に完成させた東金までの約37キロの道。
東金御成街道とも称され、現在もそのほとんどが残っている。完成の翌年(1615年)11月25日に家康が船橋に泊まったと伝わっていることから、同じ日に開催を決めた。
企画を発案した案内人の仲村章さんは「御成街道は軍用道路、大名支配、民を動員した軍事演習の意味があり、東金に鷹狩りに行くためだけではない」と街道の目的を説明。
船橋御殿は以前、約4ヘクタールもあり、本町通り近くにある現在の東照宮はその中心地といわれる。家康や次の将軍秀忠も宿泊した場所だという。この日は、船橋や海老川の名の由来に加え、西福寺・船橋大神宮のある宮坂で戊辰(ぼしん)戦争の一つである市川・船橋戦争があった際、多くの死傷者が出たことなどが説明された。
船橋大神宮は徳川幕府と深いゆかりがあり、多大な寄進を受けていたが、同戦争で社殿や文書の多くが焼失したことなども説明され、参加者は熱心に耳を傾けた。
日枝神社境内の下宿自治会館では、船橋市観光協会会長の大野一敏さんによる「家康公と船橋・三番瀬」を聴講し、家康の軍事戦略についてレクチャーが行われた。
「街道の名前は知っていたが、その詳しい内容は把握していなかった。地元を知る良いきっかけになった」と参加した隅田雅行さん。
街歩きネットワークは、船橋を市民に広く知ってもらい船橋が好きな人を多くしようという思いから4年前に設立。街歩き案内人(ふるさと案内マイスター)は現在60人を超し、昨年のイベント参加者は1000人に迫る勢いだったいう。「新しい構想・アイデアで企画を立てている」と中村正董会長は明かす。