夏見台幼稚園(船橋市夏見台2)で2月3日、毎年恒例となっている豆まきイベントが行われた。
毎年節分の2月3日に行われる同イベント。鬼に扮(ふん)した職員が園内を走り回り園児たちを追い掛け、鬼を見て泣き出す園児たちが続出するほど迫力あるイベントとして知られている。毎年、担当する鬼役の職員は変わるが、園長すら知らない「トップシークレット」となっているという。
当日の朝、子どもたちが登園するよりも早い時間に、壁面緑地に住む「夏見の山にすむ鬼」からのメッセージが園庭に掲げられた。「おれたちはなつみの山にすむおにだ あとでいくからな」と、不気味なメッセージと共に赤、青、緑の手形が押され、鬼が3匹でやって来ることを暗にほのめかす内容。メッセージは、園児にも分かりやすいように平仮名で書かれていた。
園内放送から突然、太鼓の大きな音が響き、園に隣接する壁面緑地から全身タイツ姿の鬼が登場。園児たちは驚き、この時点で既に2割程度の子どもたちが泣き出した。やって来たのは、赤鬼、青鬼、緑鬼の3匹。
すると園の職員はなぜか正門を開け、鬼たちを迎え入れてしまう。正門のセキュリティーを難なく突破した鬼たちは、恐怖に震える子どもたちに駆け寄った。
園児が持つ唯一の武器は、工作の時間に思い思いに制作したかわいらしい「豆入れ」に入った豆だけ。豆を投げつけても全くひるまずに近寄ってくる鬼もいる中、年長園児が年少園児を守りながら必死に豆を投げ続けると鬼がひるみ、徐々に引き下がっていく。園庭から完全に鬼が逃げていくと、園児は勝ちどきを上げた。
鬼が去った後、園舎屋上から天女に扮した職員が花吹雪を降らせる演出も。花びらの中には見つけると幸せになる「福の神」が紛れ込んでおり、園児たちは役目を終えた豆入れに花びらを集めた。福の神を見つけ「これはお父さんにあげて、これはお母さんにあげるの」と、こぼれる笑顔の園児の姿も。
「鬼という理不尽そのものの存在に子どもたちが立ち向かっていくことが、実社会で生き抜いていくたくましさにつながる」と、鳥居徹也園長。「最後に登場する天女が福の神を与えることで、子どもたちは笑顔になってこれからも頑張ろうと誓ってくれた」とも。