船橋市北部に立地する青少年キャンプ場「研修棟さざんかの家」(船橋市大神保町)で4月17日、「船橋の梨・まるかじり」講座が行われた。主催は船橋市北部公民館。
近隣に梨園が多い同館が企画した同講座は、船橋の梨を多くの人に知ってもらうことを目的とし、今年で5回目を迎える。梨園の観察、講座、梨料理の調理実習など全4回の編成で開催。今年は既に定員に達しているという。「船橋の梨を多くの人に知ってもらい、食べてもらいたい」と北部公民館の板倉圭一郎さん。
今年の初回では、梨農家の中村平(ひとし)さんと管理栄養士の杉山れい子さんが講師を務め、船橋の梨の歴史や栽培について説明が行われた。
船橋の梨の生産は江戸時代から始まるものの、食料増産運動の過程において、一時皆無となった。1960(昭和35)年の「梨増殖5カ年計画」により本格的な栽培が始まり、法典地区、二和三咲地区、豊富地区を中心に梨栽培が進んだ。その後、宅配便の発展とともに、地方発送や直売による流通が増えたとされる。市内の栽培品種は幸水、豊水、新高が約9割を占めている。
この日は中村さんの梨畑を観察。「1本の木から350個以上の梨が収穫できる」と中村さん。中村さんの梨畑では、梨の花が満開で、摘蕾、摘花、受粉作業が行われる様子を観察。参加した25人は口々に「きれい」と声に出し楽しんだ。
参加した60代の市民は「とっても勉強になった。梨を食べる時、一つ一つ愛情を持っていただくことができる」と話した。