市川市農業協同組合(JAいちかわ)の船橋梨選果場(船橋市豊富町)で7月31日、今年初出荷となる「船橋のなし」が集荷され、船橋の梨シーズンが始まった。
船橋で生産される梨は地域特産品として、2014年から特許庁に「船橋のなし」という地域団体商標に登録されている。
初出荷に先立ち、同日午前中に梨農家の齋藤雄太さん(25)が、近隣の子どもを自身の農園に招待。梨もぎの体験後に「一番梨」の試食会を行った。齋藤さんは、祖父が1960(昭和35)年から始めた梨園を継ぎ、3代目になる。
子どもたちに「梨は食べる前に冷蔵庫で冷やして2時間位冷やして食べるのがおいしい。たくさんある場合は新聞紙で包んで野菜室に入れ、できるだけ早く食べた方がいい」と説明した。
招待された幼稚園児から小学5年生までの子どもたちは、齋藤さんが選んだ食べ頃の幸水をもいで、今年初めての梨を頬張った。小室小学校5年の宮良和奏(みやら わかな)さんは「爽やかな味でさっぱりしていておいしい」と笑顔を見せた。
齋藤さんが農園仲間と作っている梨のシャーベットも振る舞われた。シャーベットは現在業務用として市内の飲食店に卸しているが、今後はカップ入りを一般に販売することも検討中だという。
船橋市広報官の小野寛昭さんは「船橋で『一番梨』の試食会は初の試み。船橋にはたくさんの梨農家がある。船橋の梨の魅力を多くの市民に知っていただきたい」と話す。
13時からはJAいちかわ船橋梨選果場で梨の初出荷の作業が行われた。農園から次々に運び込まれる幸水を農園ごとに、選果場に出荷している農家の人々が「秀」「優」「良」と品質を選別。選別された梨はベルトコンベヤーで運ばれ、さらに機械で重さ別に仕分けされ箱詰めされた後、夕方には東京都中央卸売市場に初出荷される。
JAいちかわの中村宏さんは「例年この選果場からはピーク時で1日3000箱以上出荷される。今年の梨は雨が少なかったせいか小さめだが糖度は13度以上と去年より甘い」と話す。