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船橋のなし、冷夏・曇天・長雨で出荷遅れる 梨の色づき不順原因で

梨園の様子

梨園の様子

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 冷夏・曇天が続く今夏、梅雨を思わせる長雨の影響を受けて市の特産品「船橋のなし」の出荷が大幅に遅れている。

農園を見渡しても全体的に青いままの梨が多い(関連写真)

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 船橋のなしは、4月に開花・受粉を行い梅雨時の十分な降水を受けて、梅雨明け以降の夏の強い日差しで甘みを増し実を色付かせ収穫期を迎える。

 収穫時期がちょうど盆前後にあたることから、少し遅い「お中元」や「帰省土産」に、地元住民の間では人気の手土産になっている。

 全国的なふなっしーブームを受けて、全国から「船橋のなし」購入者が訪れるようになった梨直売所「梨の船芳園」(船橋市二和東2)では、「出荷の遅れから来る作業スケジュールの調整で8月後半は悩まされそうだ」と頭を抱えている。

 今年の梨は、天候不順の影響に悩まされてきた。GW以降の記録的暑さに加え、6月~7月の空梅雨、7月~8月にかけての曇天と長雨など、例年にない異常気象が続いてきた。さらに、8月の盆前後は例年平均気温が30度前後になるところ、気温も上がらない日が続く。

 空梅雨対策では、散水機などを活用して十分な水分を蓄えさせ実が成熟してはいるが、7月以降の冷夏と曇天の影響は少なくない。

 「梅雨明け以降に30度以上の気温が続くことが大切。日が出てくれないと光合成できないので葉の栄養が足りず来年以降にも影響を残してしまう。こんな雨が続くと病気も心配」と、同園の園主・加納芳光さん。

 盆を過ぎた時期にもかかわらず、農園内の梨の実は8割方が木についているまま。「盆の終わりだと、半分以上が出荷されているのが普通。例年は、毎日のように成熟した梨が出荷を待っている感じだが……。実の大きさより色付きが問題」とも。

 関東圏の和梨で最も人気の高い品種「幸水」は、同園では8月25日ごろまでに出荷を終える予定。続く「豊水」「新高」を購入するファンも多いことから、この先も出荷作業は続くが、肝心の実が出荷段階に達さず、後ろ倒しなった作業のしわ寄せも心配だという。

 糖度は十分に乗り、シャリシャリとした和梨独特の食感も味わえる。加納さんは「全国で船橋のなしを心待ちにしているファンのためにも、夏らしい晴天と30度を超える気温が待ち遠しい」と話している。

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