船橋市内のナシ農家「船芳園」(船橋市二和東2、TEL 047-448-2158)の満開のナシ畑で4月19日、昼食会が開かれ、桜ではなく、ナシの花でちょっと遅めの花見を楽しんだ。
この日は朝から晴天に恵まれ絶好の作業日和。この時期になると市内のナシ農家では、ナシの開花に伴い「受粉」作業の時期を迎える。
「受粉」とは、ナシが効率よく実をつけられるように「摘花」したものに他の種類のナシから採取した花粉をつける作業を指すが、実が枝に当たったまま成長し傷が付いてしまわないように見極め、作業を効率よく行うには熟練の技が必要になるという。
そのため、多くの梨農家ではこの時期、数年~数十年のキャリアを持つ「近隣住民」が「受粉」作業に手伝いとして参加する姿が見られる。この日、受粉作業に手伝いで参加した近隣の住民と船芳園の加納さん一家が、ナシ畑で満開の花を眺めながら昼食を取った。
ナシも桜も同様にバラ科の植物で、花の形は似ているがナシは真っ白な花を咲かせる。加納さんは「花だけを見たら、ナシの方が桜よりもきれい」と話す。ナシと桜の違いについて、加納芳光さんは「ナシは『摘花』や『剪定(せんてい)』をするので桜のようにボリュームを持った咲き方をしないのでは」と分析する。「ナシの花は、『幸水』や『新高』など、その種類によって花も違う。興味のある方は見学にいらしゃってください」とも。