海を生かしたまちづくりを目指すNPO法人「ベイプランアソシエイツ」が主催する初日の出クルーズが2018年元旦に行われ、朝6時に船橋漁港(船橋市日の出1)集合、参加者45人が集まった6時半ごろに出港し、東京湾内で今年最初の日の出を拝観した。
主催のベイプランソシエイツは、船橋港でスズキをメインに漁する水産会社「大平丸」の棟梁(とうりょう)大野一敏さん(78)が率いるNPO法人で、市内の会社経営者や会社員、主婦などで組織されている団体。
海辺を生かしたまちづくりをテーマに、定期的に「サンライズクルーズ」ジャズの生演奏を聴きながらの「サンセットクルーズ」、研修旅行や船橋市の花火大会では船上からの花火観覧などを企画している。
今回の初日の出クルーズは、同会のホームページと船橋市の広報で公募。呼び掛けに対して45人が集まった。6時時点での気温は2度。船上は海風と走行する船の起こす風で体感気温がさらに低く、凍えるような寒さだったが、澄んだ空気の下、初日の出は「今まで10年以上開催してきた中でも一番じゃないか」(同会会員、木村さん)というほど見事なものという感想が聞かれた。
水平線上に浮かぶ工場のシルエットからオレンジ色の太陽が少しだけ輝きをのぞかせると、見る見るうちに太陽が昇り海上に姿を現した。凍えるような寒さの中、太陽の力強い光が現れたことで参加者の間に自然な笑みがこぼれ、皆一様にシャッターを切り始めた。おのずから手を合わせ「あけましておめでとうございます…」と、小さな声でつぶやく年配の女性参加者などもあり、見事な初日の出に満足げな様子が見られた。
初日の出を確認すると全員で「万歳三唱」。帰りがけにサッポロビール前の護岸に係留されている旧南極観測船の「SHIRASE」に近接、海上からその大きさを体験する余興も。港に帰るとホンビノス貝からダシをとった漁師汁「ふうかし」が振る舞われ、参加者らは、冷え切った体を内側から温めた。
この日初めて参加した市内海神在住の長谷川智昭さん(71)夫婦は「ふなばし三番瀬海浜公園で、富士山や夕焼けを見ることはあるが、朝起きるのがつらくて日の出は勇気が出なかった。でも今回初参加してこんなにきれいな初日の出を観ることができたので本当に良かった」と感動を表した。「このホンビノス貝のお吸い物もおいしくて最高」とも。