船橋市は現在、7月12日から千葉県内で初めて開催する「認知症カフェ立ち上げ支援セミナー」の参加者を募っている。
「認知症カフェ」とは、認知症の人やその家族、地域住民、医療や介護の専門職など、誰もが気軽に集える場所のこと。2018年5月末現在は市に登録があり、市内19カ所で自主的に運営されている。現在は主に、介護事業所やNPO法人のほか、喫茶店、民生委員などの有志が集まった市民団体など、さまざまな人が主体となって展開している。
市内の認知症高齢者の数は3月現在、約1万4000人。団塊世代が対象に入ってくると考えられる2025年には約2万4000人に増える見込み。市では、認知症への対応を大きな課題として捉え、認知症予防対策と合わせ、認知症になった人が日常で過ごせる場所づくりのため、2025年度までに、市内に100カ所まで「認知症カフェ」を増やすことを目指している。
今回のセミナーへの参加対象者は、認知症カフェの開設を考えている個人や町会・自治会などの市民団体、介護事業所など。船橋市包括支援課・認知症対策係長の日野晶子さんは「立ち上げにあたって、まず多くの方にとって壁となってしまうのが、場所、人材、資金という3つの要素。そのどれか、またはどれもそろっていない方でも、まずは気にせずに参加してほしい。開催場所の紹介ができるかもしれないし、集まった人同士で一緒に立ち上げることができるかも」と話す。
セミナーは全7回のプログラムで、第1回は7月12日、最終回となる第7回は12月13日。船橋市認知症高齢者グループホーム連絡会が市から委託を受けて主催する。会場は市役所近くの千葉県船橋合同庁舎がメインだが、回によっては、実際の認知症カフェの見学に行くほか、立ち上げ予定の場所に専門家が出向いてくれ、個々にアドバイスももらえるような内容となっている。包括支援課の主事・竹内拓也さんは「ここまでの内容の立ち上げ支援セミナーを実施しているところはあまりないと思う」とも。
参加費は無料。定員は先着50人。参加要件は、原則として全7回を受講できる人。申し込み方法は電話(047-436-2558)または市内公共施設や認知症カフェ実施場所などで配布している用紙に必要事項を記入し、ファクスでの申し込みも可能。認知症カフェのためのスペースを提供できる個人、事業所、病院、施設なども募っている。