ららぽーとTOKYO-BAYに隣接する船橋港親水公園(船橋市浜町2)で11月7日から2月末までの土曜・日曜・祝日にかけて、キッチンカー出店による屋台村が稼働している。
主催は船橋市観光協会に協力する形で組織された「FUNAterrace実行委員会」。メンバーは、キッチンカー事業者の支援を行っている「カケハシフードトラック」、農業支援でクラウドファンディングやホームページ制作などを手掛けている「ファームコネクト」など20代~30代の若手起業家たち。
かねて「船橋の海辺を生かしたまちづくりをしていきたい」と考えてきた同協会・栗田事務局長の構想に、若手起業家チームが呼応した。
「カケハシフードトラック」代表の一條友樹さんは、元消防士。仕事にも大いにやりがいを感じていたが、このままでいいのか自分の人生に疑問を感じ、一念発起して起業。消防勤務時代の虎の子資金でキッチンカーを購入し営業を始めたが「思った以上に大変。たくさんの事務作業と、出店場所などの営業活動が苛烈」と一條さん。キッチンカー事業者を支援する目的でYouTube配信を開始。1年足らずで3000人以上が登録する人気チャンネルになった。
「キッチンカーで起業する夢を描く人が多いが、なかなか大変。横の連携を取ることで安定した経営が可能になることが分かった。良質な出店場所確保のためには、最初から出店場所を作っていくことも必要」と考え、栗田さんのアイデアに乗ったという。
一方、農家を支援する事業で中学校時代の親友2人と起業した「ファームコネクト」の村瀬雄太さんは、新卒入社した商社でクラウドファンディングも担当。複数のプロジェクトを成功させた実績を持って今年8月に退職した。
「子どもの頃にお世話になった農家のおじいちゃんやおじちゃん、友達や先輩の実家が農業の継続に苦しんでいる。ITや金融の知識を駆使して農家を助けられないか」と友人の石井宏一朗さん、後藤憲亮さんに声を掛け今年9月の起業に至った。
船橋市内でもすでに実績を積み、梨農家を継ぐ加納慶太さんのフードロスゼロを掲げたクラウドファンディングを成功に導いている。今回の「FUNAterrace」事業にはクラウドファンディング立ち上げ支援という形で参画。ファウンダーと呼ばれる運営側のスタッフとの調整などを手掛けた。
「FUNAterrace」事業は、10月に試験的に実施。平日開催の人出や雨天時の集客、機材レンタルの費用や搬入出時の人件費などの試算を行い、予算の調整を図りスタッフの確保など準備を重ね11月7日から再度稼働を開始した。
期間中は土曜・日曜及び祝日に11時~19時にキッチンカー出店を予定している。キッチンカーは地産地消メニューや市内飲食店事業者、市内及び県内各所のキッチンカー事業者などが集合。最大10店舗が出店する日もあるという。
出店時間は11時~19時(出店時間の変更あり。