船橋市内で福祉作業所を営む友野剛行さん(43)が9月22日、6人の仲間との開設から4年余りで職員数70人、事業所数20以上まで拡大したノウハウを一冊の本にまとめて出版する。
友野さんは、船橋市内に本拠地を構えるふくしねっと工房(船橋市滝台町)を中心に習志野市や八千代市、浦安市にも事業所を構え、3つの法人で20以上の作業所や店舗を経営する「ぐらすグループ」の代表。
組織が大きくなるにつれ、裏腹に課題も湧き出てくる。「組織を大きくするのには限界がある。一方で居場所の無い人をこれまでに一度も断ったことがなかったので、これから先も断らずに受け入れていきたい」と、自身の心情と実際の運営のはざまで友野さんは矛盾を抱えていたという。
悩んだ末、自身の組織ぐらすグループを拡大するのではなく「これからは他の事業所を支援してゆくことで、間接的に居場所のない人を支援していこう」と、これまでに蓄えてきたノウハウ全てをまとめて出版する事を決めたという。
同書には、友野さんが1997年に福祉作業所に入社した時からこれまでの経験や思いに加え、2008年に自身で仲間6人と作業所を立ち上げてから、これまでの経営者としての経験という約15年分の友野さんの思いが詰まっている。
「福祉の業界で働きたいという方はまずこれを読んでほしい」と、友野さんは同書を福祉業界の入門書として位置付ける。「福祉作業所を立ち上げてみたいけど、現在の福祉業界に矛盾を感じているという方が最初に手にするには最適な本。本当にやりたいのか、できるのかを自分自身に問いかけるきっかけになるはず」とも。
体裁はB6判サイズで224ページ。初版は1100部発行。価格は1,470円。全国の書店店頭に並ぶ。津田沼駅の丸善には多少多めに並ぶ予定だという。