海神小学校(船橋市海神2)のプールで8月6日、船橋青年会議所主催する水難事故対策の体験講座「浮いて待て!」が、千葉海上保安官を講師に迎えて開催された。
同会議所理事長の原島庸高(やすたか)さんは「企画当時はコロナが落ち着いていたので、レジャーに行く人も増え、水難事故に遭う可能性が高くなるだろうと考え、さらには市内全学校全学年で着衣泳をしているわけではないことを知り、このような経験をしてもらった方が事故に遭った際にも慌てないだろうと考えた」と企画の意図を話す。企画していた時期に、知床遊覧船沈没の海難事故があったのもきっかけになったという。
千葉海上保管官から海がどんなところなのか、さらに万が一溺れてしまったらどうしたらいいのかという話があった。保管官から海とプールの大きな違いとして、海には潮の満ち引きがあることや、海岸に打ち寄せた波が岸にたまり沖に戻ろうとする際に生じる速い流れ「離岸流」が発生することについての話があった。
溺れてしまったときは、基本は「浮いて待つ」ことが大事になると話した。肺の空気で人間は浮くので、叫ぶと肺の空気を出してしまい沈んでしまうという。溺れている人を見たら、ペットボトルを投げて持たせると浮いていられることも伝える。アルコールを摂取した時や体調が悪い時は海に入らないこと、救命胴衣を着けると浮くので助けられるという話もあった。
実践では、参加親子25組がプールに入り、プールの中で同方向に歩き、ある程度の流れができた際に逆行し離岸流を体験。参加者は逆流の中歩くことの大変さを、身をもって体験した。
水の中での着衣については、体温を保てること、着衣により浮くこと、靴はよく浮くこと、ケガの防止にもなると説明。服を着て泳ぐこと、流れに反して泳ぐことは難しいので、基本は「落ち着いて浮いて待つ」ことだと説明し、ペットボトルを抱えて浮くことを体験。
溺れている人には浮くものを投げること、ペットボトルでもランドセル、クーラーボックス、ボールでもいいので投げることを伝え、「中でもペットボトルにひもなどをくくりつけ、水を少し入れてアンダースローで飛ばすと飛ばしやすい」と保安官。参加者全員がペットボトルを飛ばし、ひもを引いて寄せることを体験した。