「第35回海老川親水市民まつり」が6月4日、海老川河岸で4年ぶりに開催され、好天の下、多くの人が訪れた。主催はNPO法人「環境を考える市民の会」。
早朝に開催を知らせる花火が打ち上げられ、10時ごろに祭りが始まった。会場の海老川両岸では、屋台での飲食物の販売、ドジョウつかみ、絵画教室、フリーマーケット、ゲームなど120店以上の模擬店が並んだ。
海老川でカヌーに乗れる「カヌー乗船体験」は特に人気を集め、ボランティア船頭2人がカヌーをこぎ、数人の客が乗り込んでカヌーを楽しむ様子が見られた。参加した小学3年の男児は「思ったよりずっと速くて、風が涼しくて気持ち良かった。また乗りたい」と笑顔で話していた。
特設舞台では日本舞踊をはじめ、船橋の伝統芸能「ばか面踊り」、和太鼓演奏で「海老川音頭」などを演奏する音が響き、子どもたちの力のこもった太鼓の打ち込みに会場から大きな拍手が送られた。
セレモニーで、松戸徹船橋市長は4年ぶりの祭り再開の労をねぎらい、「環境保全は市としても重要なテーマとして対策中。気持ちいい自然の中で今日一日を楽しんでほしい」と呼びかけた。同祭りの創成期から楽しんでいるという野田佳彦元首相は「カヌー体験中に水中ドボンしたこともある」とエピソードを紹介し、会場から笑いが起きた。
実行委員長の相澤友夫さんは「今年もボランティアスタッフが頑張ってくれた。当日の祭りの実行はもとより、環境の整備と準備にも感謝している。海老川にこの祭りのためだけに手作りの橋を架けていることに気付く人は少ないと思う。一日だけ使い、終わるときれいに片づけて、来年使うのを待つ。感謝しかない」と話す。
まるごみ船橋実行委員長の大原俊弘さんは「海老川の掃除を、会員が集まって月1回行っている。良い環境の中で市民が気持ちよく遊び、憩う場になれば。会員の協力に感謝」と話した。
同NPOの鷲見千代子代表理事は「コロナ禍で3年休んだが、長かった。企業や団体から大きな支援を頂いているが、一方でボランティアスタッフの高齢化が非常に心配だった。声をかけると80%以上の人が『またやろう』と集まってくれた。この絆こそが力になった。葛南土木事務所の協力にも感謝を忘れてはいけない。また頑張る」と来年に向けて意気込みを見せる。