二宮小学校（船橋市前原東5）体育館で2月16日に開かれた「卒業を祝う会」で、同校卒業生の国際的ピアニスト・関野直樹さんがピアノ演奏を披露した。

小学生の頃の思い出を話す関野さん

　関野さんは船橋市出身・在住。日本大学芸術学部音楽学科を主席で卒業し、同大大学院在籍中から海外で研さんを積み、2001年からハンガリーを拠点に欧米などで演奏活動を行っている。

1998（平成10）年の二宮小学校創立100周年、2018（平成30）年の120周年記念行事には同校に駆けつけ、後輩たちのために演奏を披露。2020年、関野さんが日本に活動拠点を移してからは、日本国内での演奏会や大学で講師を務める傍ら、地元・船橋での音楽活動も積極的に行っている。

　「卒業を祝う会」では、児童による演技終了後に関野さんが登場。関野さんはトークを交えながらショパンの「幻想協奏曲」と「英雄ポロネーズ」を演奏し、児童らは割れんばかりの拍手を送った。

　関野さんは「私が小学6年生の時はピアニストになりたいなんて1ミリも思っていなかったが、中学・高校といろいろな出会いがあり、もっとピアノがうまくなりたいと思うようになった」と振り返り、「何か好きなことがあれば、もっとうまくなりたいと努力していくと世界が広がる」と激励の言葉を贈った。

　最後に関野さんの伴奏に合わせて全校児童で校歌を歌い、同会は幕を閉じた。関野さんは「何年たっても校歌は忘れないもの」とコメント。卒業生退場時には「6年生にこれからもすてきな愛と夢が訪れることを願って」と「愛の夢」（リスト作曲）を関野さんが演奏した。

　中野誠校長は「一流のプロの演奏を聴く機会は、特にコロナ禍にはなかったのでありがたい。関野さんの言葉は子どもたちにとってエールになったのでは」と話す。関野さんが会場を去る時には「関野さ～ん」と多くの児童が次々に声を上げて手を振っていた。