東船橋駅南口のおおすか整形外科(船橋市東船橋1、TEL 047-411-0777)で11月22日、ロコモティブシンドローム(以後、ロコモ)に関する啓発が行われた。
ロコモは「運動器症候群」といわれ、運動器の障がいによって介護・介助が必要になっている状態、もしくはそうなるリスクが高くなっている状態を指す。日本整形外科学会ではロコモという名称の認知を高めるとともに、運動器の障がいに至るリスクを早期に発見・治療することや予防に力を注いでいる。
患者や利用者を対象に、ロコモの啓発活動を定期的に実施してきた同クリニック。今回は、同クリニックで2カ月に1度開催している「転ばぬ先の体操教室」のテーマとして採用し、関係者含め15人ほどが参加した。
同教室ではロコモについてのレクチャーの後、ロコモ度テストの実践を行った。運動器の障がいは年々増加しており、2007年に12パーセント程度だったものが、2011年には23パーセントとなり、要支援・要介護になる原因のトップに挙げられているという。
原因は高齢者の運動不足や病気などが大きな要素を占めるが、特定のスポーツを集中して行っている場合に、若年者でもロコモ対象になる場合があるとされている。
ロコモ度テストでは、「立ち上がりテスト」で下肢の力を、「2ステップテスト」でバランス能力を、「アンケート」によって生活の中で見られる身体の実感をチェック。
立ち上がりテストでは、高さが10センチから40センチまで10センチ刻みの腰掛けを用意し、手と勢いを使わずに下肢の力だけで起き上がれるかをチェックする。床との距離が近ければ近いほど下肢の力を要することになり、ロコモ状態から遠くなる。
下肢に問題のない場合は、床に尻を付けた状態から手と反動を使わずに立ち上がることができるという。「若年者でもロコモの兆候が見られる場合がある。バランスの良い体づくりが重要」と、同クリニック院長の大数加光治さん。
記者が実際に体験したロコモ度チェックでは、すぐにロコモになるという切実な状態ではないが、近い将来バランスの悪い筋肉の付き方が影響してロコモになってしまう可能性が高いことが分かった。「今のうちから予防に努めておくことで将来のロコモを避けることができる」と大数加さん。