NECファシリティーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:橋谷 直樹、以下NECファシリティーズ)は本年3月、VR技術を活用し、当社の研修・研究開発センター「FM-Base(R)(エフ・エム・ベース)」(所在地:千葉県我孫子市)の研修カリキュラムをいつでもどこでも受講できる教育用VRコンテンツを開発しました。本コンテンツは日本電気株式会社(NEC)の提供するバーチャルトレーニングセンターを用いています。
FM-Baseは、クリーンルーム、電気設備、純水設備、排水処理設備など半導体工場に必要とされる計11種類の設備を備えた施設です。これらの実機操作を習得する各種カリキュラムのうち今回は、圧縮空気設備(コンプレッサ)の研修カリキュラムをVRコンテンツ化しました。
受講者が教育用のVRデバイス(Meta Quest 3)を装着すると、FM-BaseがリアルなVR空間に再現され、実機操作が可能になります。その場に指導員がおらずとも、システム上で受講者の作業結果を診断し、その判定を視覚的に表示。受講者は必要な時に自学自習することで、短期間かつ確実に実機操作を習得できるようになります。将来的にはAIエージェントが受講者毎の分析を行い、問題点や改善方法などを個別の結果に沿ってナビゲートする機能の付加を視野に入れています。
FM-Baseの実際の設備(VRデバイス未装着時)
VRコンテンツ化された設備(VRデバイス装着時)
システム構成図
作業結果を判定し、視覚的に表示
NECファシリティーズは、半導体・電子部品・医薬品製造業を中心に工場のインフラ設備(電気・空調・給排水など)の管理・運用を担う施設管理の受託事業を日本全国約170拠点に展開しています。近年、半導体産業の活況を受け、工場のインフラ設備の管理・運用を担う人材の需要が高まる一方、十分な知見・ノウハウと必要な資格を保有する熟練者の高齢化などが進み、人材不足の問題が顕在化しています。
FM-Baseは、こうした背景のもと、工場のインフラ設備を管理・運用する人材の早期育成および事業のDX推進を目的に開設された施設です。瞬低をはじめ現実の工場に起こりうる大きなトラブルを模擬的に発生させ、復旧作業を習得するまで繰り返し実機を操作するトラブルシューティング研修や、数年に一度しかないメンテナンス対応を学ぶ研修などが現場作業に従事する社員にも好評で、2024年5月の稼働開始以降、累計846名(2025年2月末現在)が受講しています。
今後、研修カリキュラムに沿ってVRコンテンツを拡充するとともに、VRデバイス(Meta Quest 3)を全国の拠点に配置する予定です。これにより、これまで年に1回から2回程度であった研修カリキュラムを繰り返し受講できる他、複数のカリキュラムを同時に受講できるため、習熟度を50%以上向上させ、スキルの定着をより加速させることが可能となります。
NECファシリティーズは効率的な工場施設運営およびお客様への高付加価値提供に向けて事業のDX化を推進しています。2024年4月に専任組織を新設して以来、様々なテーマでDX化を推進する17プロジェクトを立ち上げてまいりました。
FM-Base内のR&Dラボでは、設備の稼働データ収集の自動化やエネルギー効率の可視化による予知保全、中央監視による業務支援などの研究開発を進めておりますが、今月から3拠点で導入を開始し、2025年度に順次拡大する計画です。
以上
*FM-Baseの詳細はこちら
*「バーチャルトレーニングセンター」は日本電気株式会社(NEC)のソリューションです。
https://jpn.nec.com/nvrs/index.html
*「FM-Base」はNECファシリティーズ株式会社の登録商標です。