無添加調理をテーマとする食品を製造販売している石井食品(船橋市本町2)が3月7日、船橋市と地産地消や食育などでの連携強化を図るため包括的連携に関する協定を締結した。
協定は「地域産業の活性化」「農水産業の振興」「地産地消の推進および食育」「市民の健康増進」「災害対策、非常食の備蓄」「地域社会の活性化および市民サービスの向上」「食品ロスの削減」「持続可能な市民サービスに寄与」「その他市民サービスの向上」の9項目で連携を図るもの。
石井食品は70年以上にわたり船橋市に本社を構え、全商品無添加調理している。ミートボール・ハンバーグなどの商品を生み出してきたノウハウを生かし、今後この協定に基づき地元船橋産の農産物を使った製品開発や食育セミナー開催などの取り組みを推進していく予定。
「災害対策、非常食の備蓄」の連携では現在、船橋産のコシヒカリで作る非常食を開発中。火を使わず、そのまま食べられる非常食として、船橋産のコシヒカリで作った「玄米がゆ」を松戸徹船橋市長が試食。「玄米なのに食べやすく、よくかんで食べるので腹持ちがしそう」と感想を話した。非常食の完成後は、船橋市に1万5600食が備蓄される予定。6000食を市内の小学生に無料配布するという。
これまでも石井食品と船橋市は「災害時における物資供給や駅周辺の帰宅困難者の受け入れに関する協定」を結び、災害対策を中心に連携を図ってきているが、より幅広い分野における包括的な本協定を締結することで、市民サービスの向上につなげていくという。
松戸市長は「船橋市は都市農業が盛んで、多種多様な作物が採れる街。石井食品さんとは今後も地産地消の観点で、市民の生活を支えられるよう連携を取っていきたい」と話す。