吉澤野球博物館(船橋市本中山1)が館内の史料を船橋市に寄付することを発表、船橋市消防指令センター(湊町2)で11月20日、感謝状授与式が行われた。
同館は、戦前の六大学野球に関する史料を多く保管。2012年に創設者の吉澤善吉さんが体調を崩し、2014年3月から休館している館内の史料を有効活用するため、同館から船橋市教育委員会に寄付されることが決まったという。
寄付されたのは、「東京六大学野球黄金時代」といわれる昭和初期に活躍した選手の写真やサインボール、当時の入場チケット、昭和の大投手・沢村栄治選手のパスポート、当時活躍した選手の肉声を収蔵した「声の野球史」、当時の日本代表ユニホームなど約4300点の野球史料のほか、合わせて所蔵する北大路魯山人の焼き物など27点の美術工芸品。
式典には、自身の名前を冠した少年野球大会が船橋市内で開催されるなど、船橋市とゆかりの深い元プロ野球選手・江藤省三さんが来訪。寄付された野球史料の価値や素晴らしさを解説し、同席した松戸徹船橋市長も博物館へ感謝の意を表した。
松戸市長は「来春からの市民センターや船橋アリーナでの展示会、その後の博物館の再開などを検討している。より多くの市民にその価値を公知していく」と話した。
寄付先として吉澤さんの母校でもある早稲田大学も候補に上がったが、地元船橋への感謝の意を表したいと、今回の寄贈に至ったという。「スポーツ振興の街である船橋の市民の皆さんにより多く鑑賞してもらいたい」と同館代表理事の海保睦子さん。