飛ノ台史跡公園博物館(船橋市海神4、TEL 047-495-1325)で11月1日、「船橋の遺跡~里帰りした資料(モノ)たち~」が始まった。
船橋市では、戦前から現在に至るまで幾度も史跡の発掘調査が行われてきた。船橋市だけでなく大学や県教育委員会によっても調査が行われている。今回は、発掘調査を行ってきた関係機関の協力を得て、初めて各施設が所蔵する「船橋市内から出土した土器や磁器、銭貨など」を一堂に集めた特別展となる。
期間中、博物館1階を9つのコーナーに分け時代の古い順に展示。最も古いものは「源七山遺跡(げんしちやまいせき)」(千葉県教育委員会所蔵)。旧石器時代の紀元前3万2000年から同1万3000年ごろまでのナイフ形石器などを展示している。2番目に古い「後貝塚(うしろかいづか)」(日本大学所蔵)は戦時中に発掘されたもので、縄文時代中期の土器が良好な状態で出品されている。
「後貝塚」(市立市川考古博物館所蔵)では、縄文時代中期の土器類、「前貝塚堀込貝塚」(船橋市教育委員会所蔵)は、縄文時代後期の貝輪(腕輪、装飾品)やエイ尾刺鏃(びきょくぞく=道具、武器の一種)など。「金堀台貝塚」(船橋市教育委員会所蔵)では、縄文時代後期の土器類、「本町遺跡」(日本大学所蔵)は6~7世紀の集落跡から出土した土器類、「夏見台遺跡」(千葉県教育委員会所蔵)では旧石器時代から古墳時代の生活用品、「東中山台遺跡群第19次地点」(千葉県教育委員会所蔵)は奈良・平安時代に使われた土器類。「丼」「太」などの文字が書かれている皿などを出品。「八木ケ谷遺跡(遠山塚群)」(千葉県教育委員会所蔵)は、17世紀後半の近世に使われた銭貨や数珠玉(じゅずだま)などを出品している。
学芸員の中村宜弘(たかひろ)さんは「紀元前約3万2000年のものから18世紀のものまで、さまざまな時代の資料約200点がそろうので、この地域の歴史の壮大さを肌で感じてほしい」と話す。「戦前に発掘され普段目に触れることの少なかった実物の遺物など、保存状態のいいものを見ることができるのも見どころ」とも。期間中、学芸員が展示品を解説するギャラリートークも行う。
開館時間は9時~17時。入館料は、一般=100円、小中高生=50円、市内在住の中学生以下無料。12月28日まで。