船橋市のご当地キャラクターとして全国的に知名度の高い梨の妖精「ふなっしー」が3月1日、船橋市内の千葉銀行ATMから発せられる振り込め詐欺未然防止の呼び掛けに「声」で登場する。
ふなっしーは、船橋警察署から「犯罪なっしー広報官」として主に振り込め詐欺の予防に関する広報を委任されている関係で、今回のATMでの呼び掛けが実現した。
船橋警察署から打診があったのは昨年秋。イベント会場の片隅や、楽屋などで収録したものを同署が編集し、3月1日から5月末までの期間、船橋市内の無人ATM内、店舗外の独立ブースに絞って試験的に音声のみで配信する。
これらの条件を満たすATMは、船橋市立医療センター、東船橋駅前(JR総武線)、高根木戸駅前、滝不動駅、三咲駅(いずれも新京成線)、東武アーバンライン船橋駅、コープ薬円台の7カ所。平日9時~15時の8時間、15分間隔で20秒ほどのメッセージが流れる仕組みだ。
女性アナウンサーが「ふなっしーからのお願いです」という旨のメッセージを伝えた後にふなっしーが登場。「その振り込み、ちょっと待ったなっしー!ひょっとしたら振り込め詐欺かも知れないなっしよー。だからちゃんと振り込む前に、相手を確認するなっしなー!(家族などに)電話してほしいなっしー。よろしくなっしなー!!」と、ゆっくりと語り掛ける。
「いつもは早口なふなっしーさんだが、高齢者の方に向けたメッセージとあって、いつも以上にゆっくり語りかけてくれている」と警察関係者。実は、数回の撮り直しが行われた、このふなっしーボイス。「早口で聞き取りずらいと言われても、ふなっしーはこの声しか出せないなっしな。声だけ別の人に変えて吹き替えでいくのもいいなっしな」と、収録会場で関係者を笑わせる一幕も。
「まずは、ふなっしーさんにゆかりの深い船橋市内、無人の独立ATMから。効果が出てきたら千葉県内全域で流せるようにしたい」と、千葉銀行の振り込め詐欺対策担当者。同署では、ふなっしー起用による話題性に加え、ふなっしーの持つ中性的で独特の梨ボイスが「高齢者の耳に届きやすい」と考え今回依頼したという。
「振り込め詐欺の未然防止に少しでも意識が向いてくれたら、それだけでも今回の企画に価値がある。他の銀行でも、ふなっしーさんの声を使って振り込め詐欺の予防に協力体制が取れたら」とも。