介護と育児の「ダブルケア」についての講座が12月19日、男女共同参画センター(船橋市本町2)で行われた。
横浜を拠点に活動している一般社団法人「ダブルケアサポート」代表理事の東恵子さんと理事の植木美子さんを講師に招いた同講座。
東さんによると、「ダブルケア」は、2012年度の東アジア比較調査研究実施における分析概念から出発しており、2012年当時は育児と介護の同時進行している状況を指していたが、近年では病気や障害を持つ家族のケアなど、複合的なケアが必要とされる状況を指すという。
会場では植木さんが、親族や家族内での複合的なケアはこれまでも存在していたが、晩婚化や長寿化により、育児と親の介護が同時進行する確率が高くなること、女性の社会進出が進み、夫が外で稼ぎ妻が家の中でケアするスタイルは崩壊していること、ダブルケアが社会問題化してきていることなど、スライドでグラフを交えながら説明した。
さらに少子化(兄弟姉妹の減少)や雇用の不安定、男性の長時間労働などで出産・育児離職、介護離職、ダブルケア離職しなければならない環境なども紹介。突然介護状況になり、まずどこに誰に相談すればいいのか分からなくて困った、実際ママ友には遠慮して相談ができない事例などの解決策として、行政の支援や地域ネットワーク・サービスなどの資源、介護保険制度・子育て支援制度などを活用するを示した。
最後にグループワークの時間を設け、突然ダブルケアが始まったAさんの事例について、どういった解決策があるのかを考え、自己紹介と共に発表した。自身も介護が始まったという女性は「介護をしているほかの方の話が聞けて良かった」「男性の意見が聞けてよかった」などと話していた。参加者にはダブルケア経験者の声を集めた「ハッピーケアノート」を配布した。