陸上自衛隊習志野駐屯地(船橋市薬円台3、TEL 047-466-2141)の演習場で1月13日、晴天の中、恒例の第1空挺(くうてい)団による「降下訓練始め」が一般公開された。
降下訓練始めは1年間の降下訓練の安全を祈る「開傘祈願祭」として部隊内で1969(昭和44)年から行われてきたもので、一般公開は1974(昭和49)年から。入場時には手荷物検査が実施され、観覧席までの距離1.5キロメートルの移動にシャトルバスも用意された。
今年は「日米空挺の絆」をテーマに、降下展示の指揮官降下を皮切りに、地上展示は演習場を南西諸島などの離島に見立てた離島防衛のシナリオで訓練が始まった。空自の最新鋭機C-2輸送機を含む5機の固定翼輸送機編隊と陸自のCH-47ヘリ編隊から、「陸上自衛隊の精鋭部隊」ともいわれる空挺団団員や米アラスカ州の第25師団第4空挺旅団戦闘団、「グリーンベレー」と呼ばれる沖縄の第1特殊部隊所属の米陸軍空挺の精鋭たちも降下した。
C-2輸送機に搭乗した日米の隊員で構成する先遣隊は高度1000メートル以上から降下。続いて主力部隊による空挺降下は東京タワーと同等の高度340メートルから降下し、短時間で目的地に降着。先遣隊との連携で陣地を確保し、水陸両用車(AAV7)など海上から上陸する部隊を誘導するという想定で訓練を行った。
演習場は第1空挺団が日々訓練をしている場所で、一般開放されるのは「降下訓練始め」「駐屯地桜まつり」「駐屯地納涼夏祭り」の3回のみ。模擬店が多数出店し、飲食物だけでなく自衛隊グッズの販売などもあった。
来場者は約1万人。今回初めて来場したという市内在住の40代男性は「演習場内に初めて入ってその広さにも驚いたが、降下訓練の規模の大きさに圧倒された」と話した。