ふなばし三番瀬環境学習館(船橋市潮見町)で夏の特別展「三番瀬探偵団、なぞの痕跡(しるし)をおいかけろ」が7月20日から開催されている。
同館では、これまでも「ビーチコーミング」や「野鳥観察」といった、フィールドを意識させ野外活動を促すような展示を実施してきた。春の特別展では「生き物の生存戦略」をテーマにした「なりきり」という手法を活用することで、より生き物への興味喚起を促す展示も行ってきた。今回の特別展では前回に引き続き、ゲーム的に生き物の魅力を伝える体感展示の手法を加え、生き物の痕跡である「フィールドサイン」をテーマに設定することで、参加者とフィールドを結び付ける働きを強めることを狙う。
同館・科学コミュニケーターの小澤鷹弥さんは「生き物を探す際には、痕跡の調査を欠かせない。そのような痕跡調査そのものをテーマにすることで、参加者に『生き物を探す』『残された痕跡から生き物を推理する』ことを楽しみ、理解してもらいたい。日常生活の何でもないものにも何かしらの痕跡があるかも、といったように興味を持ってもらえれば、干潟の探索もさらに楽しくなると思う」と話す。
展示の流れは、1階の受付で用意された3種類の「怪人からの挑戦状」から1つを選び、常設展示を見ながら謎の合言葉を手に入れる。2階の「怪人のアジト」で合言葉を入力し、AR(拡張現実)グラスを入手。ARグラスを使って5つの痕跡標本を見て謎を解き、痕跡標本から怪人の正体を突き止めるというもの。正体を突き止めると「名探偵の証」がもらえる。
「ARグラスを体験展示に用いた、先進的な特別展」と小澤さん。見どころは多種多様な標本群で、東京湾や三番瀬で見られる生きものの標本全42点が並ぶ。
開館時間は9時~17時。入場料は、一般=700円、高校生・大学生=500円、小・中学生=400円、市内在住の小・中学生=300円、リトライはいずれも1回200円。未就学児・障がい者とその介護者1人無料。9月2日まで。期間内は無休。関連のワークショップ「三番瀬探偵ノートを作ろう」も9月1日まで開催している。