千葉県船橋市内在住の田中弘実さん(30)は、東日本大震災直後の3月14日から宮城県石巻市の保育園や避難所へ子どもたちのメンタルケアを考えた手作りのままごとセットを送り続けてきた。
震災直後、2歳になる娘の蓮夏(れんな)ちゃんは地震のショックでご飯を食べなくなり、一日中抱っこの日々が続いたという。「千葉でこれだけメンタルに影響が出ているのであれば被災地の子どもたちはどれほどの傷を負っているのだろう」と考え、宮城の県石巻市役所に交渉した。受け入れ窓口としての協力を受け、船橋から子どもたちのメンタルケアを目的とした支援活動を行ってきた。
弘実さんは会社員時代、「熊野筆」のブランド立ち上げを手掛けた経験のあるキャリアウーマン。そのころに取引のあった企業や営業経験を生かし開拓した数々の大手企業から支援を取り付けた。京都シルク(大阪市鶴見区)やボーネルンド(渋谷区)、クロックス・ジャパン(世田谷区)などの大手企業が弘実さんの活動に賛同し、物資を提供した。
支援活動を続けていく中で被災地の子どもたちに最も喜ばれたのが、フェルトで作った手作りのままごとセットだったという。弘実さんは「被災地の子どもたちにクリスマスプレゼントとして手作りのままごとセットを贈りたい」と考え、全国各地からおままごとセットを集める活動を始めた。
ままごとセットの作り方をマニュアル化して誰でも作れるようにブログに掲載した。全国から送られてきたままごとセットを、下着メーカーの協力で検針できる体制を整えた。「営業は慣れているので交渉は苦にならない」と爽やかな笑顔で語る弘実さん。母が子どもを思いやる気持ちから企画されたクリスマスプレゼントの企画。「たくさんのママに協力してもらって一人でも多くの子どもたちにぬくもりを届けたい」。縫い物が苦手な人にはラッピンググッズの提供など、他の形での支援も求めている。
セットの回収は10月初旬から11月15日ごろまで行い、12月から現地で配布する予定。これまでの活動に関しては公式ブログで紹介している。問い合わせは田中さん(suro@dwmail.jp)まで。