JR東船橋駅南口から徒歩5分ほどの場所にある「おおすか整形外科クリニック」(船橋市東船橋1)で9月26日、「コロナと共にロコモに勝つ」をテーマとした市民向けの公開講座が、約10カ月ぶりに開催された。
同クリニックでは2、3カ月置きに「転ばぬ先の体操教室」と題し、市民向けの公開講座を実施してきた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年11月以降、開催を見合わせていた。
「今回は勇気を出して開催した」と同クリニック院長の大数加光治さん。「医療従事者である私たちが、積極的に皆さんに正しい情報を発信しなければならない。ただ怖がるのではなく、正確な情報を知って、閉じこもるのではなく健康に過ごしてほしいという思いがある」とも話す。
最初に「本日の感染者数は何人でした、というニュースに一喜一憂していませんか?」との大数加さんの質問にうなずく参加者たち。これまでのコロナの経緯を振り返り、長野県諏訪中央病院の医師、玉井道裕さんの「新型コロナウイルスを乗り越えるための説明書」を使いながら、基本的な予防法と新型コロナウイルスの特徴、これまでの感染症の歴史などを紹介。自粛生活によって外出や運動する機会が減ったためにロコモ(ロコモティブシンドローム=運動器症候群)の人が増えているという現状を説明した。
座学の後は、同クリニックスタッフらが「おとなロコモチェック」を実施。下肢筋力を調べる「立ち上がりテスト」と、歩幅を調べる「2ステップテスト」の2項目の測定を、参加者全員に対して行った。その後、「おおすかロコモ予防」の「これだけ体操」を紹介し、一人一人のペースに合わせて体を動かした。
最後に、「情報に惑わされず正しく適切な情報を得るように」と、大数加さん自身も参考にしているという玉井さんがウェブサイトで発信している「新型コロナウイルスを乗り越えるための説明書」と、愛知県陶生病院の医師・武藤義和さんの「新型コロナウイルスのNow」などを紹介した。
「手当たり次第に感染するウイルスではなく、適切な対応をすれば防げるウイルス。感染したからといって謝るのではなく、治ったことを喜ぶ社会になってほしい」と大数加さん。「コロナウイルスの終焉(しゅうえん)は、みんなが興味を失って報道されなくなった時」とも話した。