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船橋産の採れたて野菜を配送「船橋野菜」 連携農家の野菜を自転車リヤカーで配達

配達に出発する米澤さん

配達に出発する米澤さん

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 市内企業「セールスマーケティングファーム」(船橋市北本町1)は現在、船橋市内の農家から直接野菜を仕入れ、地域限定で個人向けに自転車リヤカーで配達する新事業「船橋野菜」を始めている。

配達は自転車リヤカーで

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 同社は小規模企業などの営業代行を請け負う会社で、代表は米澤俊一(41)さん。横浜市出身の米澤さんは日本体育大学卒業後、ITベンチャー企業に勤務。20代後半に友人の誘いでベビーリーフなどの栽培ハウスを建て、全国のレストランなどに直接出荷する「インスフィアファーム」(福井県坂井市)に約2年間携わった。

 都市と農家を結ぶベンチャー企業「アグリメディア」(東京都新宿区)で約3年間働いた後、船橋市で起業。子どもが生まれたのを機に船橋市に移り住んだ。米澤さんは「船橋は人口が増えているが、畑も多いので採れたて野菜を食べる機会に恵まれている地域だと思い『船橋野菜』を始めた」と話す。現在の販売エリアは船橋市北本町、山手、海神、本町、行田、夏見。

 「船橋野菜」の利用に当たっては、同サイトで会員登録(会費無料)し、同サイトの約30種類の野菜から注文。野菜の値段は農家が決め、その値段で販売する。配達料は1回200円。支払いはクレジットカードのみで、野菜代金にはカード決済手数料(代金の4%)が含まれる。

 米澤さんは「畑に何度も足を運び、おいしいと思った野菜を仕入れている」と話す。現在、印内、西船橋、旭町の農家7軒と連携し、毎週水曜の午前中に各農家へ集荷に行き、午後は自転車リヤカーで注文客の家へ配達する。

 同サービスを利用している苅田恭子さん(山手在住)は「本当に採れたての新鮮な野菜を届けていただける。特にトウモロコシ、カブは『生で召し上がってください』と教えてもらい、そのままいただいたら、トウモロコシはまるでミカンのように、カブは柿のように甘くみずみずしかった。野菜を届けてくださる米澤さんは元気いっぱいで、思わず『頑張ってください!』と応援したくなる方」と笑顔を見せる。

 連携農家の一つである「かまくら農園」の鎌倉優希さんは「船橋野菜さんには去年の11月から出荷させていただいている。西船橋にある当農園は、住宅に囲まれた畑を持つ、都市農業と言われる農家。新鮮な野菜を採ってすぐ届けられたらいいが、顧客を探す手間と配送の手間があって。多くの消費者が近くにいるという利点を生かしきれていないままいた」と話す。「ここ数年は直売所やスーパーのインショップが売り先のメインになっていたが、マージンが負担となっていたというのが本音」と笑う。

 鎌倉さんは「米澤さんは、多くの顧客の家を一軒一軒回り、農家からはマージンを取ることもない。農家としてはこれ以上ありがたいことはない。野菜自体は間違いなく新鮮なものをお渡ししているしお客様にも喜んでいただいているようで励みにもなる。農家、船橋野菜、消費者の三方よしを実現できるのが米澤さん。まだ始めたばかりで注文こそ少ないが、確かな価値でお客さまが増えていったらいいなと思っている」とも話す。

 現在、会員数は約200人で、特にファミリー層や高齢者世帯が多いという。米澤さんは「野菜は、一部の例外を除き、採れたてが一番栄養素が高くおいしい。農家は『せっかく作ったものなので新鮮なうちに食べてほしい』という思いがある。私たちから『採れたて野菜を食べる文化』を広めていきたい」と話す。今後はセット売りや販売地域の拡大なども検討していきたいと夢を膨らませている。

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