船橋漁業協同組合が4月3日、海上安全と豊漁を祈願する「水神(すいじん)祭」を行った。
当日は、新型コロナウイルス感染対策として、船橋漁港(船橋市湊町3)で漁業協同組合員と関係者のみの出席で祭事を行った。
同祭は江戸時代から続き、冬の漁を終えた漁師が春の漁を始めるための「節目」として重要な意味を持ち、旧暦の3月1日に当たる4月3日に毎年行っている。海上に多くの船を集めて行うことから「船祭り」とも呼ばれている。
同組合役員で海苔師の滝口光宏さんは「これまでは港にたくさんの船を係留し、大漁旗を掲げ、神事などの儀式の後に神楽や餅まきが、その後は宴会も行われた」と話す。過去には1000人を超える一般観覧客が訪れた年もあったという。昨年から新型コロナウイルスの感染対策として、一般の観覧客を立ち入り禁止にし、儀式も縮小、神楽(四座)の奉納、餅まきも中止している。
儀式は、船橋大神宮の神官、大神宮楽部によって執り行われた。修祓(しゅばつ)、降神(こうしん)の儀、献饌(けんせん)の儀、祝詞奏上(のりとそうじょう)、切麻散歩米(きりぬささんまい)の儀、玉串奉奠(たまぐしほうてん)、撤饌(てっせん)の儀、昇神(しょうしん)の儀で閉会。神事の後は、神前に奉納した米・麦・栗・ひえ・大豆を船から海に投げ大漁と五穀豊穣を祈願する「種まき」のため、各町会の代表者が船に乗り沖に出た。
同組合長の滝口宜彦さんは「新型コロナウイルスの中今年も水神祭が行われたことに感謝。新型コロナウイルスが収束し、皆さんと通常の中安全に漁に出て行けることを願う」とあいさつした。