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船橋のパン店が蜜症の梨を使ったデニッシュ販売 「船橋のなし」をコンポートに

蜜症のなしを使った「豊水梨のデニッシュ ショソン」

蜜症のなしを使った「豊水梨のデニッシュ ショソン」

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 船橋のパン店「Little Breads To Go」(船橋市本町1、TEL 047-437-8733)が現在、船橋市内の蜜症の梨を使った「デニッシュショソン」(300円)を販売している。

店舗外観

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 デニッシュ生地に梨のコンポートをのせ、アーモンドクリームと合わせて高温で一気に焼き上げて作る同商品。食感の違いを楽しむと同時に、味のコラボによって梨の味も際立つ仕上がりになっているという。

 蜜症とは、近年の天候不順により梨の蜜が果実の特定の部分に偏り、その部分の食感が柔らかくなったり、果実が透明がかったりして、通常よりも熟度が上がりやすく変色などが生じる現象。梨品種の中でも特に「豊水」に多く症状が現れ、収穫ピークとなる盆前後から8月後半に梨農家の大半が悩まされ続けてきた。

 食べること自体に問題はないが、ギフト用に郵送することの多い「船橋のなし」では、蜜症の度合いが高いものは廃棄処分していた。多い年には収穫した梨の半分程を廃棄したこともあったという。

 収穫してすぐに食べる、あるいは加工に回すのであれば問題なく流通できることに気付いた船橋市内の飲食店で、SNSを中心にレスキューチームを結成。飲食店経営者や洋菓子店、スイーツ作家ら15店舗(人)が参加し、商品化する流れを作った。

 梨農家からその日の出荷分に「蜜症」が判明するとSNS経由でレスキューチームに連絡が入り、手の空いた飲食店店主らが梨農園まで仕入れに向かい、その日中に商品として加工する。加工した商品を即日販売する連携は多くのメディアで取り上げられ、連日「船橋のなし」を使った商品の購入希望客が参加店を訪れているという。

 今回、同チームのメンバーとして蜜症梨を使ったレシピでパンを商品化した同店店主の古宮義和さんは「せっかく手間暇かけて作ったおいしい梨なので、そのおいしさを生かしたパンを考えてみた。蜜症は食感が柔らかくなる特徴があるが、その分甘みも増す。蜜症の特徴に合わせた商品にした」と話す。

 営業時間は10時~19時。月曜・火曜定休。

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