習志野文化ホール(習志野市谷津1)で12月23日、市立船橋高校吹奏楽部の「第38回定期演奏会」が開催され、サプライズゲストとして俳優の神尾楓珠さんや佐藤浩市さんらが登場した。
昨年はコロナ禍で中止となり、2年ぶりの開催となった同演奏会は、ほぼ満席の約1400人が来場した。
市船を勝利へ導く応援曲として知られる「市船 soul」を在学中に作曲し、がんのために20歳でこの世を去った浅野大義さんを描いた映画「20歳(はたち)のソウル」の公開が来年、予定されている。
同演奏会では、浅野さんが作曲した「ジャスミン」の演奏が始まると、俳優の佐藤浩市さん、神尾楓珠さん、佐野晶哉さん(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)、秋山純監督、原作・脚本の中井由梨子さんがステージに登場。一般の来場者には知らされていなかったため、会場内からは驚きの声と共に歓声が上がった。
浅野さん役の神尾さんは「市船生のきれいな演奏の中での登場だったので、とても緊張した」と話し、撮影に参加した市船生らに向けて「楽器未経験で分からないことだらけだったが、いろいろと教えてくれて助かった。撮影も皆さんが最後までエネルギーを持ったまま参加してくれたのが印象的でありがたかった。今日の演奏も楽しみ」と感謝の言葉を話した。
同部に仮入部したという佐野さんは「顧問の高橋先生に楽器のことを教えてもらったり、市船生の魂を入れてもらったりする時間もあった。縁とか絆を描いたすてきな作品になったと思う」とあいさつをした。
顧問の高橋健一さん役の佐藤さんは「自分が指揮をしていないのが不思議な感じ。部員の皆さんと一緒に映画の撮影ができて良かった。高橋先生がほぼ毎日撮影現場に来られたのでやりにくいこともあった」と話すと、会場内は笑いに包まれた。
監督の秋山さんは「大義くんにとてもいい映画になったと言いたい」と話し、中井さんは「大義くんが亡くなる直前に訪れたのが定期演奏会だったと聞いた。その定期演奏会に映画をひっさげて戻ってきたことを大義くんに伝えたい。大義先輩のために、市船のために、映画のために力を尽くしてくれた市船生、先生、後援会、卒業生、保護者会などの協力があって成り立った市船の映画。本当に素晴らしい映画になっているので楽しみにしてほしい」と呼び掛けた。
映画「20歳(はたち)のソウル」は来年初夏公開予定。