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習志野駐屯地「空挺館」を一般開放 100年超前の歴史的な建物

習志野駐屯地内にある空挺館(旧御馬見所)

習志野駐屯地内にある空挺館(旧御馬見所)

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 陸上自衛隊習志野駐屯地(船橋市薬円台3)で5月28日、空挺館の一般開放が行われた。

「帝王の階段」と呼ばれる階段がある館内=習志野駐屯地「空挺館」を一般開放

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 習志野駐屯地の第1空挺団は、陸上自衛隊唯一の落下傘部隊を有し、毎年1月の公開行事「降下訓練始め」には多くの見物客が訪れる。その敷地内にある空挺館(旧御馬見所)は歴史ある建物で、ほぼ毎月1回、一般公開している。同隊広報担当者によると、「コロナ禍が落ち着いてからは多くの人が訪れ、70人以上の来館者があった日もある」という。同日は、市内だけでなく、市外や都内から約40人が来館した。

 空挺館(旧御馬見所)は、1911(明治44)年に東京・目黒の陸軍騎兵実施学校に天皇や皇族の臨幸した際の展望台として建てられた迎賓館用途の建物。1916(大正5)年の陸軍騎兵実施学校の移転に伴い、この御馬見所も習志野に移設された。現在は「空挺館」という名前になり、隊員の教育や伝統の継承などのため、空挺(落下傘部隊)に関わる貴重な資料を展示する資料館となっている。

 2階建ての建物の1階は空挺団や自衛隊の活動について、2階は騎兵やパレンバン空挺作戦、義烈空挺隊、兵器などに関連する資料を展示している。空挺団OBで編成された「語り部」会の解説を聞きながら見学できる。

 1階の展示品には、陸上自衛隊の階級章から記章、歴代の武器や装備、空挺レンジャーの装備品などが並ぶ。2階に続く階段は、語り部によると「この階段は『帝王の階段』と呼ばれ、皇族が登りやすいよう、段差は緩くなっている」という。

 騎兵隊に関する資料や1942(昭和17)年2月の「パレンバン空挺作戦」の資料や旧日本軍騎兵部隊に関する展示もあり、騎兵学校入学中に三笠宮殿下が宿泊したという部屋もある。

 松戸から来たという50代女性は「戦争の悲惨さを感じる資料もあり、胸が痛かった。落下傘部隊のことも学べたし、何より建物が素晴らしい。こんな場所があるとは知らなかった」と話していた。

 次回の一般開放は7月8日を予定。

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