「船橋のなし」が収穫の季節となった8月1日、齋藤英幸さんの梨圃場(ほじょう)(船橋市坪井町)で「一番梨のお披露目会」が開催された。
船橋市は全国有数の梨の産地として知られ、2014(平成26)年に地域特産品としてのブランド力向上を図り、「船橋のなし」を特許庁の「地域団体商標」として登録している。
お披露目会には、市内の梨農家を代表して園主の齋藤英幸さんが出席。今年の梨栽培について、「4月から5月にかけて雨が多く、花粉の付きが悪くて心配だった。梅雨明けが早くて水不足を防止するために水やりを増やした。雹(ひょう)が降って一部の地域では被害も出て心配した」と振り返る。不順な天候由来で生育が遅れ気味だったというが、「このところの晴天続きで生長の遅れも取り戻し、甘さも急激に増している。自信を持って市場に提供できる」と胸を張る。
同園は1970(昭和45)年頃に梨栽培を始め、英幸さんは2代目。現在では梨の他にブドウ、栗、柿、ミカンも生産している。梨は直売せず、主にJAいちかわ船橋梨選果場に出荷し、市場を通じて関東近郊のスーパーで販売している。齋藤さんは船橋市果樹園芸組合研究部の部長としても活動し、若手生産者と共に生産技術の向上に取り組んでいる。
船橋を拠点に活躍し、今年Bリーグ東地区優勝を果たしたプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツふなばし」からキャラクターのジャンボくんとマスク・ド・オッチーも参加。ホームタウンの名産品PRのため、子どもたちと一緒に梨もぎに挑戦した。
梨もぎ体験では、これから出荷時期を迎える「幸水」を収穫。参加した子どもたちは、手が届かない高いところは、ジャンボくんやマスク・ド・オッチーに抱きかかえられて体験した。父親と参加していた藤井はると君とりく君の兄弟は「梨が大好き。船橋にはたくさんの種類の梨があって、どの梨もみずみずしく甘くておいしい。夏は梨の季節」と笑顔で話していた。