南船橋駅を中心に周辺の開発が進む南船橋エリアで大規模なリニューアル工事を行っている「船橋競馬場」（船橋市若松1）が4月25日、改装の終わった新スタンドを関係者にお披露目した。

特別観覧席＝船橋競馬場、2025年春に向け大規模リニューアル

　全ての工事終了は2025年春を予定。2022年2月に先行して供用を始めたA棟（延べ床面積8492平方メートル）に次いで、4月29日から供用するB棟（同5152平方メートル）で内覧会を行った。座席数は2棟合わせて1791席、総工事費用は約150億円。

　改修前、総収容人数3万人、スタンド席1万人だったものが、リニューアル後はスタンド席で約6000人程度を収容、最大収容人数は3万人を予定している。

　建物は公共施設と同じ耐震基準1.25をクリアしている鉄筋コンクリート造り。大規模災害時には避難所として対応できるよう水などの備蓄に加え、2階は発電機で、3階をガス空調で稼働。300人が3日間滞在できるよう準備を整える。

　施設内は、4階に8人まで利用可能なボックスルームやフラットシート、ワイドシートなどを配した「特別観覧席」を用意。2階・3階には各席にカップホルダーを設置した自由席、1階はコースに近く「臨場感のある」自由席、開放感のある屋外のベンチシート型自由席も用意。各階にバリアフリートイレを設け、2階にはべビールームも備える。

　1階に、もつ煮込み・カレーライスなどを提供する「田久保」、2階に船橋競馬場のソウルフードとして知られるあんかけ焼きそばや焼き鳥などを提供する「東西売店」、唐揚げやフライドポテトなどの「GRAZYPOTATO＆からきち屋」が入る。3階にはラーメンなどの麺類を提供する「こがね」、4階にローストビーフ丼やクラフトビールを提供する「Derby　Diner」などが出店する。

　施設リニューアルのコンセプトは「街との共生」。同エリア内の「ららぽーとTOKYO-BAY」「ビビット南船橋」「ららテラス」などの大型商業施設や「LaLa arena TOKYO-BAY」「三井不動産アイスパーク船橋」などとも連携したイベント開催なども予定する。

　これまで施設内東側に集中していた運営サイドの施設をA棟に移設するほか、2024年度中には入場門をららぽーと・ビビット南船橋側にも開設。現在パドックビジョンなども設置工事中で、リニューアル完了後の2025年11月3日には同施設では15年ぶり開催となる「第25回JBC競走」も予定している。