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船橋の地酒店「矢島酒店」が刷新-増床で陳列など見直し、商品絞り込みも

これまで自動販売機のあった場所にステンドグラス、たばこ販売の窓口があった場所にオリジナルの「家紋」をあしらった

これまで自動販売機のあった場所にステンドグラス、たばこ販売の窓口があった場所にオリジナルの「家紋」をあしらった

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 東武野田線・馬込沢駅前の踏み切りからほど近い日本酒・地酒専門店「矢島酒店」(船橋市藤原7、TEL 047-438-5203)が5月3日にリニューアルし、1カ月以上たった。

幹也さんの義父母がデザインしたステンドグラスで店内に外光を取り入れた(関連画像)

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 同店の創業は1962(昭和37)年。現在の建物は1981(昭和56)年に建てられ、これまでにも小規模なリニューアルは2回行ってきたが、大規模なリニューアルは今回が初となる。

 リニューアル前におよそ14坪だった店内を、スタッフの作業スペース含め20坪に拡大。以前、自動販売機が設置されていた壁部分にステンドグラスを配置し、店内に外光が多く取り入れられるよう工夫した。

 ステンドグラスのデザインは、日本酒とワインを扱う同店のイメージに合わせて和洋折衷を意識。店主の義父母の経営する「アトリエBB(ニービー)」(江戸川区)に依頼し、約20種類のガラスを使った色鮮やかなものを取り付けた。

 主力商品の日本酒・焼酎は国内各地の蔵元から直接仕入れており、リニューアルを機に大手メーカーの商品取り扱いを一切やめた。日本酒は、国内の60 蔵元から約300種、焼酎は20蔵元から約100種、ワイン約80種、梅酒約40種を常備する。ビールの取り扱いも「八海山泉ビール」「新潟麦酒」など地ビールだけに絞るなど近隣のディカウントショップやスーパーとの差別化を明確にする。

 「店内を明るいイメージにし、商品陳列を変えることで買い物を楽しんでいただけるように工夫した」と同社専務の矢島幹也さん(35)。「若い発想に任せたが、顧客目線の陳列に変えたことで、死に在庫がなくなり、売り上げが飛躍的に伸びた」と、同社社長・矢島敏和さんは変化に驚きを見せている。

 陳列棚は採寸して一から製造。顧客目線に合わせ低い棚では30度の角度を、目線と同程度の高さでは垂直にプライスカードを配置することで見やすさに配慮した。また、これまでデットスペースになりがちだった商品の後ろや陳列棚の下などを有効活用し、店内の限られたスペースを効率よく利用することで作業スペースや陳列スペースの確保に努めた。

 さらに、時代背景とともに増えてきた要冷蔵商品に対応すべく、冷蔵庫も拡大するなど今後の成長を見据えた店舗設計を採用。「これまで売り場で作業していたことでお客さまに迷惑をかけていた。作業スペースを確保することで効率も上がる」と幹也さん。リニューアルに際して従業員も新規で採用し、さらなる成長戦略を描く。

 リニューアルが功を奏し、店舗の実売で前年比128パーセントを記録。来店客は、カップルや夫婦連れが多くなり、新規顧客も増えているという。「品ぞろえと付加価値の提供で大手との差別化を図る」(幹也さん)と、今後の戦略を見据える。

 同店は、数年前からインターネット通販も活用しており全国各地からの問い合わせにも対応している。幹也さんが修業先から同店に戻った2002年当時から、日本酒の販売は6倍に伸びており、今後ますますの成長を見込んでいるという。

 営業時間は9時~20時。火曜・第3水曜定休。

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