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130年続く船橋産炭火焼き豚「作重郎のつぼ焼き」 毎月「肉の日」限定で

「作重郎のつぼ焼き」を持つ3代目おかみの鈴木澄江さんと5代目の勇河くん

「作重郎のつぼ焼き」を持つ3代目おかみの鈴木澄江さんと5代目の勇河くん

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 船橋大神宮から津田沼方面に坂を上った街道沿いにある「肉の鈴木本店」(船橋市東船橋1、TEL047-424-2344)の「作重郎のつぼ焼き」が、近隣で話題になっている。

作重郎のつぼ焼きを焼き上げる様子

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 同店では毎月29日の「肉の日」に合わせ、備長炭のじか火で4時間かけて焼き上げる看板メニュー「作重郎のつぼ焼き」を販売。街道筋添いにある黒板ボードの看板に書かれた「作重郎のつぼやき 焼いてます 100g450円」というシンプルな文字に、多くの通行者が目を留めている。

 卸売りと学校などへの納入を専門に行っている同店。約15年前までは一般客向けに対面販売も行っていた。「店売りしていたころは毎日100本くらい焼いていた。納めの仕事が増えていくにつれて、つぼ焼きを焼くことも少なくなっていった」と、3代目おかみの鈴木澄江さん。現在も、お中元やお歳暮などの用途に限り、1週間程度の余裕を持って注文すれば個別販売も行っている。

 つぼ焼きは、つぼやつぼ型の窯にいれて焼き上げる調理手法全般を指し、特に焼き豚は各地に秘伝の焼き方を持つ店がありテレビ番組などでも紹介されているという。

 つぼ焼きの起源は、西暦(明治20)年の創業にさかのぼる。創業者の鈴木作重郎さんが満州で焼き豚の製法を学び、その技術を持ち帰ったことが始まり。、「シマダの肉焼き器」と呼ばれる現在は廃業したメーカーの専用機械を使い、鹿児島県産の豚モモ肉を130年続く秘伝のタレに繰り返し漬け込み、備長炭のじか火で焼き上げる。ロースターだと短時間で焼き上げ数をこなすことができるが、1回に最大12本、1日2回転で最大24本までの仕込みが限界だという。

 つるし焼きで、時間をかけて焼き上げる間に豚肉の持つ脂分が程よく落ちる。表面は炭火で焦げ付き、必要なジューシーさがうま味とともに閉じ込められている。創業当時から継ぎ足しながら使い続けてきた秘伝のタレが甘辛く豚焼きに絡みつくのが特徴。

 仕込みを手伝っている5代目の鈴木勇河くん(10)に澄江さんが技術指導も行っている。「私が元気なうちに伝統の技術を引き継いでおきたい。長年の勘で焼き目を見極めている部分がある。何回も一緒に仕込みをして覚えさせていきたい」と、勇河くんが幼稚園のころから朝5時に起こし仕込みを手伝わせてきたという。

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