JR船橋駅南口にある西武船橋店(船橋市本町1)が2月28日、50年間の営業の歴史に幕を下ろした。
地元を代表するランドマークの一つとして地域住民に長年親しまれてきた同店。最終営業日となった28日は、開店前に約300人が列をなし、通常より10分早く開店した。
同店発表によるこの日の来店者数は約7万人。最終売り尽くしセールとあって、商品棚が空の状態の売り場が多く見られた。
正面玄関には三井田豊店長のお礼の言葉パネルを掲げ、写真を撮る人の姿も見られた。松戸市長は「1909(昭和42)年、市の人口急増期に開店し、半世紀にわたり市の商業施設のシンボルとして、街のにぎわいを創ってくれた。閉店は残念だが大きな貢献に感謝している」と話す。
客足は閉店時間の20時になっても衰えず、閉店間際には多く人が正面玄関前に集まり、シャッターが閉まる様子を見守った。シャッターが閉まった後も人の波は消えず、「ありがとう」「さようなら」の言葉を掛け、涙ぐむ人の姿も見られた。
店内をひと回りして別れを告げたという船橋市内在住の50代女性は「自分の成人式も婚礼の準備も西武だった。思い出がいっぱい詰まった場所。西武ができたことで船橋のイメージも変わり、美術館やカーニバル広場でのイベントも楽しみだった。心に穴があくような感じだが、ありがとうと伝えたい」と話していた。
同市本町在住の50代男性は「小さいころは母親と、最近では子どもとよく買い物に来ていた。船橋のシンボルでもある西武がなくなるのは本当に寂しい」と肩を落としていた。