船橋二和病院(船橋市二和東5、TEL 047-448-7111)で10月13日、産婦人科30周年企画「産婦人科医療公開講座」が行われた。
1981(昭和56)年に開業した同病院。船橋の中核病院として24時間体制で地域医療を担っている。
産婦人科病棟は2016年12月末、人材不足で入院の受け入れを一時休止したが、外来診療や保健活動は継続。産婦人科後期研修を受けている医師2人が2020年・2021年の帰任を目指す中、2018年4月から元東京女子医大主任教授婦人科がん専門(特に絨毛がん)医師の松井英雄さんが同病院に着任したことにより、10月22日から産婦人科病棟を再開することが決まった。
産婦人科開設30周年を記念して企画した公開講座は3部構成で展開。会場には約50人が参加した。第1部は「産婦人科病棟再開とこれからの医療」として、産婦人科医長の鎌田美穂さんが話した。「女性の一生に寄り添って、すべての女性のために、赤ちゃんからお年寄りまで安心して暮らせる地域作りに努めていきたい。尿漏れや骨粗しょう症など女性特有の悩みにも対応する」と鎌田さん。
第2部は松井さんが、「子宮がん検診について」と題し、検診率が上がれば死亡率が下がることをグラフで示し、子宮がん検診の受診を呼び掛けた。
第3部は産婦人科病棟の特色とスタッフ紹介、孫育て教室、カンガルー広場、思春期講座、午後外来の拡大や婦人科手術の継続などについて説明した。
再開する病棟は、ベッドを一部新しくしたほか、洗面台やトイレ、シャワー室、風呂場などは一新した。同病院事務次長の船井陽子さんは「赤ちゃんが連れ去られた事件があったため、出入り口のセキュリティーシステムを強化している」と話す。看護師長の河野百合子さんは「看護師は外来と病棟の両方を担当しているのが当院の大きな特徴」と話す。
来場者の一人は「子ども2人の出産はこの病院でお世話になった。今おなかに子どもがいるので、3人目もここで産みたいと思っている」と話す。分娩対応は産婦人科医師や助産師が確保でき次第再開する方針という。