飛ノ台史跡公園博物館(船橋市海神4)1階で2月1日から、企画展「一万年前の取掛西貝塚」が開催されている。
船橋市飯山満町1丁目および米ケ崎町に広がる取掛西貝塚は、約1万年前の縄文時代の貝塚と集落跡。1998年に調査が始まり、2008年の5回目の調査で市内最古となる約1万年前の縄文時代早期前半の貝塚を伴う集落や日本最古となる動物儀礼跡が発見された。2016年には船橋市初となる国史跡指定を目指して調査を開始。同展ではこれまでの調査で明かになったことを披露する。
飛ノ台史跡公園博物館の学芸員・畑山智史さんは「発見された近隣県の特徴を持つ土器が一堂に並ぶのは、見どころの一つ」と話す。同貝塚から発見された土器は撚糸(ねんし)という細い縄目の文様を付けられたものと文様のない無紋のものがある。これらは縄文時代早期前半(約1万年前)の土器の特徴で、企画展の展示では時代と共に縄文土器の文様が複雑化していく変遷を見ることができる。
同貝塚からは現在の神奈川県、東京都、埼玉県、栃木県、茨城県それぞれの地域の特徴を持った土器が見つかっているため、推測できる当時の地形や物流の様子をパネルなどを用いて分かりやすく展示している。
日本最古の動物儀礼跡は、実物と同じ広さを使って展示。儀礼に使われたイノシシやシカの頭骨の模型や写真を並べ、再現する。同貝塚から剥ぎ取って移設された実物の貝層展示のほか、ヤマトシジミを中心に当時の土器や石器、動物の骨などが一緒に堆積されている様子は、発掘現場を再現したようにも見える。
開催時間は9時~17時。入場無料。3月3日まで。月曜日、祝日の翌日は休館。3階では昨年国立東京博物館とパリの日本文化会館で展示された小室上台遺跡出土の「バイオリン型土偶」が凱旋(がいせん))展示されている。