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船橋の洋菓子店で「船橋のなし」ケーキを商品化 「船橋のなし丸ごとケーキ」

「船橋のなし」を丸ごと使ったケーキ

「船橋のなし」を丸ごと使ったケーキ

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 船橋市地方卸売市場近くのパティスリーリコ(船橋市本町6、TEL047-407-0502)は9月上旬、「船橋のなし丸ごとケーキ」(600円、税別、予価)の販売を開始する。

パティスリーリコ店主の中村貴使さん

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 船橋市の特産品「船橋のなし」を使った商品企画が水面下で始動。「船橋のなし」を使った商品は、農家とコラボレーションし、毎年市内の多くの飲食店などで商品化。季節限定のメニューとして話題に上る。しかし「和梨は加工に向かない」という定説もあり、定番メニューとして毎年の季節メニューとして定着している店は少ない。

 和梨が加工に向かないと言われている一番の理由が「梨の食感を生かした加工が難しい」「水分の含有量が多いので梨の味を再現しづらい」「加工すると変色しやすい」などとされている。

 同店で開発したメニューは、梨の皮を丁寧にむき、実を丸ごと煮込むことで梨のフォルムを生かしている。煮込み調理の時間を短くすることで和梨特有のザラザラ・シャキシャキとした食感を残すことに成功、調理に蜂蜜とレモンを使い酸化による変色を防ぎ、梨の味や食感を最大限残すことに成功した。

 梨の芯や種の部分にヨーグルトを混ぜ込んだカスタードクリームを使うことで清涼感を出し、さっぱりとした夏向けのスイーツとして仕上げた。チョコレートとハーブで梨のヘタと葉も再現、梨らしいデザートに仕上げた。

 店主の中村さんは「梨農家の苦労と梨作りに関する情熱を聞き、梨農家の思いをケーキで伝えられないかと思った」と商品化への思いを話す。

 千葉県北西部では今年、豊水の一部に「蜜病(みつびょう)」が発生する当たり年だと言われている。「蜜りんご」のように果実に蜜が多く入る状態を指し、食用としては問題ない。逆に蜜が多く入るため甘みが強くなるが、和梨特有の食感が弱くなる傾向にある。

 直売所販売が主体の市内農家では、これを商品化せず無料配布し、かねて加工に向けての商品化を研究してきた。中村さんはこうした実情を知り、ジャムや菓子や料理などに使いやすいコンポートの開発も計画。間もなく商品化される見込みだという。

 営業時間は10時~19時30分。木曜定休。

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