船橋漁港内の魚介類直売所「三番瀬みなとや」(船橋市日の出1)の外壁を、3月23日~30日の8日間かけて「ふなばし美術学院」(船橋市宮本2)の生徒と卒業生が塗装した。
「三番瀬みなとや」が「船橋漁港を華やかにしたい」との思いから、同学院油絵科に依頼したことで実現したもの。「三番瀬みなとや」は2013(平成25)年に開設され、水揚げ量日本一を誇る船橋漁港で水揚げされたスズキや、近年主力となりつつあるホンビノス貝、ノリ、つくだ煮などの魚介類・加工品を販売している。
同直売所は木造の平屋で店舗面積は約16坪。調理場や簡単なキッチンもあり、昨年には店頭に軽食スペース(テーブル2卓、2人掛け椅子6脚)も併設。ランチタイムにはホンビノス貝の串揚げ、浜焼きや魚のフライなどの食事メニューも提供し、地元の旬の食をそろえてている。
同学院とのコラボレーションを提案した「みなとや」のスタッフ・鈴木貴子さんは「『みなとや』を知ってもらうには『インスタ映えに最適』と娘から提案があり、食事にいらした画学生に声を掛けたのがきっかけ」と話す。
ペイントを施した生徒たちが通う「ふなばし美術学院」は、1967(昭和42)年に船橋市で創立。美術大学への受験・入試をサポートする受験部と、趣味として絵画・陶芸・彫刻などを学べる一般部(宮本4)に分かれている。今回塗装に挑んだのは、受験部の生徒たち。生徒たちはボランティアで挑み、塗料などの材料費は船橋市漁業協同組合と船橋市が出したという。
生徒らは、船橋の海をイメージしたデザインを考案。店の正面、右側面の外壁、左コンテナ側面に塗装を施した。正面は青い波と白い飛沫のデザインで、右側面には波間にシャチや富士山が配置されている。左のコンテナには波間に揺れる黄色の潜水艦が描かれている。
初めて外壁塗装に取り組んだ生徒らは「自分たちの考案したデザインで彩られたお店に多くの方が立ち寄ることで、海産物のPRにつながればうれしい」と話し、責任者の仲村浩一さんは「自分より大きなサイズのものを描くのが難しかった。出来栄えに満足している」と誇らしげに話した。
同学院で指導をしている大関千里先生は「この活動を通して生徒たちは社会とのつながりを深めることができ、アートが人の役に立つという貴重な体験を実感したと思う」とほほ笑む。
営業時間は10時~15時。火曜・水曜定休。