船橋市役所近くの総合病院「板倉病院」(船橋市本町2)が新型コロナウイルス感染所に対する市民からの寄付や応援の声などに対し6月18日、感謝の気持ちを込めたユーチューブ動画の配信を始めた。
船橋市の中心部、特に船橋駅南側10万人以上の人口に対して入院施設を持った総合病院は同院だけになる。緊急時の貴重な医療資源として、院内や病院関係者から一人の感染者も出せないという緊迫した中戦ってきた。
こうした状況を知った市民や企業から、物資や応援のエールなどさまざまな支援を受けてきたことから「どのような形で感謝の気持ちを伝えたらよいのだろう」と社内で会議。「インターネット経由であれば人とも接触せず、多くの人に観てもらえる」と院内での動画撮影に踏み切ったという。
撮影は病院内の各所で行われ、診察室やオペ室、屋上や受付、普段は一般の人が入ることがないバックヤードの事務室などでも収録。動画のBGMは、ポップバンドグループ「Official髭男dism」の「宿命」を全職員で合唱。明るい歌声と職員のマスク越しの元気そうな笑顔を映し出した。
動画では若い職員を中心に、感謝の気持ちや収束の見通しが立たない新型コロナとの戦いへの決意などをPOPに書き記した。緊迫感のある現場に立つ医療従事者の元気な姿を、市民に対し見せることで安心を届けている。
同院を経営する医療法人弘仁会理事長の梶原崇弘さんは「市民の皆さんの支援、船橋市のバックアップなどのおかげで、職員もご覧のようにみんな元気。少しでも感謝の気持ちを伝えようと動画を作った。多くの方に見ていただき、医療現場が健全に維持されていることを知って安心していただければ」とコメントした。