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船橋市と日大生産工学部が連携協定 「海洋プラスチックごみ」解決に向け

左から清水正一学部長、松戸市長

左から清水正一学部長、松戸市長

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 船橋市と日本大学生産工学部(習志野市泉町1)は海洋プラスチックごみの発生起源に対する効果的な制御策などを検討するため9月1日、「環境に関する連携協定」を締結した。

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 船橋市では、世界的な問題となっている「海洋プラスチックごみ」について、課題解決のため検討を進めていた。そんな中、現状を把握するため、2019年10月には日大生産工学部の協力の下、三番瀬の干潟で調査を実施したという。

 1平方メートル範囲の5カ所の調査地点各所で、プラスチック微細片や発泡スチロールなどのマイクロプラスチック(大きさ1~5ミリ)を200~300個ほど確認したという。

 今後、双方が持つ人的・知的および物的資源を活用し、相互連携協力をすることで、自然環境の保全と地域社会の発展を目指し、協力体制の強化を推進していくという。

 同協定では「マイクロプラスチックごみ」の種類や発生起源を把握するため、高瀬下水処理場(船橋市高瀬町)や西浦下水処理場(船橋市西浦1)、市内の河川で採水して調査を行っていく。

 三番瀬における漂着実態を調査するため、ドローンでの航空撮影で海洋プラスチックごみの分布調査を行うほか、海水を採水し、ごみの量、種類を測定。これらの調査から効果的な抑制策などを検討していくという。

 連携協定締結後、松戸徹市長は「昨年の三番瀬の調査で、マイクロプラスチックごみが存在したことに危機感を持った。これは世界的な問題。人々の生活が海洋汚染につながっていることの実感がなく、今後の調査によるデータを見てみんなで考えることが地球環境及び船橋の海洋資源を守ることになると思う」と話し、「これは、子どもたちの未来にとって重要なこと」とも話した。

 日大生産工学部清水正一学部長は「この問題は、約20年前から環境問題として取り上げられてきた。今回の連携協定で、足下のできることを少しずつ、着実に取り組んでいく」と話した。

 同大学土木工学科西尾伸也教授は「この問題は、解決策が見つからないのが現状。解決の糸口があるとすれば、今回のような連携締結だと思う。官・学・産業界を巻き込み、市民との意識の共有が大事だと思う」と話した。

 船橋市役所環境部は「市民にどのように環境問題を伝えていくかが大切。日常生活の中では、どのようなことに気を付けるとよいのか、今回の連携協定がベースになっていく」と伝える。同部からは今後もプラスチックごみ問題だけではなく、環境問題全般にわたり市民に発信していく予定。

 市長は「分かりやすい例だと、市民1人がひと月に1グラムプラスチックごみを減らすと、船橋市全体で7トン以上減らすことができる。コロナ問題もあるが、環境問題はしっかり、焦らず、前に進んでいきたい」と話した。

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