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船橋に在宅ホスピス 地域医療機関と連携、地主が「地域の役に立ちたい」

施設外観

施設外観

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 京成線・東中山駅から徒歩約7分の場所に10月1日、がんや神経難病の人のためのサービス付き高齢者住宅「在宅ホスピス 西船橋」が「ラプレ西船橋」(船橋市西船7、TEL0120-333-527)内に開所する。

末期ガンの入居者をイメージした部屋の一例

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 同所を運営するのは、シーユーシー・ホスピス(東京都中央区)。関西、中部地方、関東近郊、北海道を合わせ、国内に在宅ホスピスの施設を15施設運営、「みとり」に特化した法人になる。

 同社社長の吉田豊美さんは、元看護師。訪問看護事業所の立ち上げから、現在は訪問介護事業所、在宅ホスピスの運営、クラーク養成所の運営、看護コンサルティングなどを事業としている。

 「今回の施設は、船橋市では初めての取り組みをしている施設だと思う」と吉田さん。「私たちは、地域の医療機関やケアマネジャーと連携して運営していくスタイル」と続ける。

 地主は「アパートを建てるよりも、地域の人の役に立てるようなものを建てたい」と要望、同施設を開業することになったという。

 ホスピス長を務めるのは、市内に住み、介護福祉士として現場でも活躍してきた吉岡瑞穂さん。吉岡さんは以前、市内で医療者と介護施設で働く人のための多職種交流会「船橋医介塾」の塾長を務めていたこともある。

 同所は医療、看護、介護が相互に連携を取りながら運営する。施設内には常時、連携している訪問介護・看護事業所のスタッフが滞在し、入浴、排せつ、食事などの介護をする。医療となる診療は、訪問診療という形で地域の医師が行う。必要時には担当医師に連絡し、指示を仰ぎ、訪問看護師が医療処置を行っていく。

 同所管理者で看護師の川島美千代さんは「時には意見がぶつかることもあるが、互いに理由があって意見しているもの。こうした意見の交換はより良いものを生み出すと思っている」と社長の吉田さん。「そのことで、無駄な医療の提供も減らすことができる」とも続けた。

 同所に入居できるのは末期がん、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋委縮性側索硬化症(ALS)、脊髄小脳変性症、ハンチントン症、進行性筋ジストロフィー症、パーキンソン病関連疾患およびパーキンソン病(諸条件あり)、多系統萎縮症、プリオン病、亜急性硬化症全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群、頸髄(けいつい)損傷、人工呼吸器を使用している状態の人たちを対象とする。

 建物は3階建て、1部屋は約18平方メートルで全22部屋を用意する。

 吉田さんは「私たちは、病院への逆紹介(退院して同所に入ったのに、同所だけでは医療処置が追い付かず病院に再度入院すること)ゼロを目指している」と話し、「体だけでなく、心までも傷ついてしまった利用者さまに寄り添い、体も心も一緒に支え、生きることの素晴らしさを実感していただくことが私たちの使命」と話す。

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