船橋市内の梨農家では受粉作業が最盛期を迎え、天気のいい日には一家総出で作業に取り組んでいる。
船橋市内でも観光梨園として発展してきた二和三咲地区の梨農家では、桜の最盛期が去ったこの時期、満開の梨花を前に受粉作業に取り掛かる。この時期だけはパートもフル活用して、晴れ間を利用して作業を急ぐ。
梨農家は梨の収穫時期までに秋口から冬にかけて「堆肥」の入れ替えを行い、土壌改良を実施。2月ごろには剪定(せんてい)を行い4月に満開を迎える。
満開になると晴れ間を見つけ2~3日の間に受粉作業を行う。梨が効率よく実をつけられるよう枝の外側の花だけを残す「摘花」という作業も同時に行う。
実が枝に当たったまま成長することで傷がつくことがないよう、どの花を成長させるのか見極めて効率良く収穫できるように準備をする大切な作業だ。
二和の梨農園「船芳園」(船橋市二和東2)では、この時期になると午前中からパートを活用して一家総出での作業を行う。1本の枝あたり8~10の花を受粉させ、1本の木に対しては5000~10000の花に受粉をさせるという。同園には約200本の梨の木が生育している。
この時期に受粉作業を行っているのは同園で最も収穫の早い「幸水」。「幸水」よりも出荷の遅い「新高」「豊水」の受粉作業はすでに終えている。「梨は収穫の遅い方が花は咲くのが早い」と同園の加納芳光さん。
「今年の梨シーズンにはふなっしーの協力も得て、昨年以上に盛り上がる企画を実行したい」と梨シーズンに向け意気込みを見せる。
全国1位の出荷額を誇る千葉県内で、船橋市は出荷額4位という梨の産地。市内には100を超える梨農園があり、昨年はふなっしーの梨袋や梨箱をオリジナルで作成、直売所での販売や流通に乗せるなどしてPRに成功している。