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船橋の経営者チーム「ふなっち」、宮城・石巻の漁師に復興支援金

食べ歩きイベント「ふなばシル」で集まった支援金を直接手渡した

食べ歩きイベント「ふなばシル」で集まった支援金を直接手渡した

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 船橋市内の経営者らが、食べ歩きイベント「ふなばシル」で集まった支援金20万円を届けるため6月3日夜半に船橋を出発し、翌4日、宮城県石巻市を訪問した。

 「大漁プロジェクト」と「ふなっち」のメンバー(関連画像)

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 支援金は船橋市内の経営者ら8人から成るチーム「ふなっち」が、ふなばシル実行委員会を代表して石巻市内の牡鹿半島にある小網倉浜で漁業を行う被災漁師の集まり「大漁プロジェクト」に届けた。

 ふなばシル実行委員会が同プロジェクトを支援するようになったのは、毎年3月11日に合わせて北習志野近隣公園で開催されている復興支援イベント「花いっぱいin北習志野」。同プロジェクトのメンバーと交流を深めるうちに、ふなばシルの実行委員長で「ふなっち」のメンバーでもある山崎健太朗さんが「復興を見守るため10年間は支援を続けよう」と心に誓った。

 大漁プロジェクトでは、震災被害から浜の復興を目的に全国の支援者に「一口オーナー制度」を呼び掛け復興資金を集めている。1口1万円のオーナーに登録すると、浜の復興に従って「ほや」「金華トロサバ」「(釣り船)おおとく丸割引券」など好みの商品で配当を受けることができる仕組み。

 震災直後には何もなかった浜に3年の月日を経て、プロジェクトメンバー杉山隆義さん(44)は、本社社屋としてプレハブ事務所と、生き餌いわしなど漁業に欠かせない餌の保管に必要な冷凍倉庫を建てた。同プロジェクト代表の阿部英則さん(51)は、浜の名物・マコガレイやヒラメ、メバルなどを楽しみに訪れる釣り客に対して釣り船「おおとく丸」を復活させた。

 「ふなっち」のメンバーは同日、おおとく丸の釣り船を楽しみ、自らが釣ったマコガレイやアイナメの刺し身を堪能した。小網倉浜が復興に向け着実に踏み出していることを実感しながら支援金を手渡した。

 「実は、震災直後よりも今が一番厳しい。震災直後は生きるのに精いっぱいだったが、政府の支援や復興基金などが徐々に下りてきた。3年たって生産施設の購入にかかった借金の支払いなどが二重にのしかかっている」と阿部さんは復興に向かっていながら苦しい実情を打ち明ける。「3年たって、今更支援してくださいとも言いにくい」と少し目元を潤ませ寂しそうに笑う。

 「ふなっち」メンバーは船橋からできる支援を約束し、次回の「ふなばシル」「ふなばしハワイアンフェスティバル」を通じた活動で支援金をつくり、再び訪問することを約束し船橋への帰路に就いた。

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