船橋漁港(船橋市湊町3)で4月3日、海上安全と豊漁を祈願する「水神(すいじん)祭」が例年よりも規模を縮小して行われた。
同祭りは江戸時代から続くもので、春の漁を始める節目として、旧暦3月1日に当たる4月3日に毎年開催している。例年は神事などの儀式の後、餅まき、種まきといった儀式が執り行われる。多い年では1000人を超える一般の観覧客が訪れる場合もあるが、今年は新型コロナウイルスの感染対策から、一般の観覧客を立ち入り禁止にした。
今年は、同祭りを主催する船橋市漁業協同組合の組合員と関係者の合計34人がマスクを装着して参加。神楽(四座)の奉納、餅まきは割愛され、儀式は船橋大神宮の神官、大神宮楽部によって執り行われた。
修祓(しゅばつ)、降神(こうしん)の儀、献饌(けんせん)の儀、祝詞奏上(のりとそうじょう)、切麻散歩米(きりぬささんまい)の儀、玉串奉奠(たまぐしほうてん)、撤饌(てっせん)の儀、昇神(しょうしん)の儀で閉会。閉会後には大漁と五穀豊穣を祈願し、神前に奉納した米・麦・栗・ひえ・大豆を、船で沖に出て海に投げる「種まき」が行われた。
同組合長の滝口宜彦さんは「本来この水神祭はお祭りで、みなさんと今年の豊漁をお祝いするものだが、今年は縮小せざるを得ない。昨年は自然災害も多く、苦労が多かった。海苔については千葉県全体で今年は不作だった。海の環境が少しずつ変わってきているようであり、漁師を続けていくのが難しい海になっているのを感じる」と状況を話し、「(コロナウイルスで大変な)こういう時でもこの祭りを大事にしていただき、みなさんに集まってもらい大変感謝している。これからも組合運営をしっかりとしていきたい」とあいさつした。