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船橋の駄菓子店「みどりや」大晦日に59年の歴史に幕 別れを惜しむ人々集まる

自転車がずらりと並ぶ店の入り口

自転車がずらりと並ぶ店の入り口

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 地域住民に親しまれてきた駄菓子店「みどりや」(船橋市丸山3)が12月31日に閉店することから、別れを惜しんで店を訪れる人が後を絶たない。

店主の本澤宏道さん・秀子さん夫妻

 同店は1961(昭和36)年に丸山に店を構えた。2代目店主の本澤宏道さんは、高齢のため昨年で閉店する予定だったが、「もう少し続けてほしい」との周囲の声に応え、今年末まで営業を延長してきた。

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 開店当時は日用雑貨の店として、当時高校生だった本澤さんも店を手伝っていた。最寄り駅の東武アーバンパークライン・馬込沢駅周辺には当時は商店や家はほとんどなく、駅から徒歩10分ほどの商店街の銭湯に通う客や買い物客で、車が通れないほどのに賑(にぎ)わいだったという。

 1979(昭和54)年、店主だった父親が死去したために宏道さんが家業を継いだ。約15年前から駄菓子と文具の店に切り替え、買ったお菓子を食べられるようにテーブルと椅子を置きもしたが、次第にシャッターを下ろす店が増え、今年は新型コロナウイルスの影響で夏祭りなどの行事は次々に中止になった。

 店内各所には本澤さんの手書きメッセージが貼られている。子どもたちに注意を促すものもあれば、長年の感謝の言葉を添えている文面も。本澤さんと妻の秀子さんは、たとえ小さな子どもでも丁寧な言葉で接する。本澤さんは「子どもたちが大きくなって結婚しても子どもを連れて来てくれ、3代にわたりお付き合いしている人もいる」と振り返る。

 市内旭町在住で、3世代連れだって訪れていた福住さん一家は「実家が近くで子どもの頃から通っていた。いつもおじさんがいてくれて安心だった。こういう店がなくなるのは寂しい」と、テーブルに座り、同店での最後の時間を家族と過ごしていた。

 「みどりや」に訪れる人々は口々に「最後までにまた来ます」と別れを惜しんでいる。本澤さんも「今までたくさんの子どもたちとのふれあいはかけがえのない宝物」と静かに話した。

 営業は12月31日まで。営業時間は、30日は14時~17時、31日は12時~15時。