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船橋・農福連携施設「共進とまと」が野菜直売所 ブランドトマト販売も視野に

利用者と竹之内幹也さん(一番右)

利用者と竹之内幹也さん(一番右)

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 船橋のトマト農家が農福連携事業として運営する就労継続支援B型事業所「とまと」(船橋市旭町4、TEL047-430-7557)が6月1日、野菜直売所をオープンした。

直売所兼作業所の外観

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 同事業所を経営するのは、21歳で実家のトマト農家を継いだ竹之内幹也さん。就農後、障がい者の受け入れをした際、障がいのある人にも作業がしやすい方法を確立。農作業を教えていく中で、「作業所を開設して、自分で仕事を教えてみたい」と思い立ち、昨年5月に「とまと」を開設した。

 白いシンプルな建物が野菜販売所兼作業所となる。「おしゃれな造りにした」と竹之内さん。約24坪の店内では、事業所の利用者が収穫した野菜を次々と袋に詰めていく。

 竹之内さんは「今はまだ店内に何もないが、カウンターなどを作り、直売スペースを作る予定。店先にウッドデッキやオーニングも設置して、カフェも運営できたら。生産、販売、提供までを自社でできれば」と将来のビジョンを話す。

 「私たちは事業所を運営しているが、社会福祉法人ではなく株式会社なので費用面の補助がない。それでも障がい者の労働に対し、もっと高い賃金を払っていきたい。そのため新たな商品戦略も考えている」とも。

 現在、竹之内さんは新たなトマト栽培の技術を習得しに「農援隊」(島根県出雲市)という「アイメック農法」の総合コンサルティング会社へ研修に頻繁に出向いているという。

 アイメックフィルムは、透析膜、人工血管、カテーテルなどの医療用製品に用いられる膜や、ハイドロゲル技術の開発を30年以上にわたり行ってきた「メビオール」の社長・森有一さんが発明した技術。竹之内さんによると、農業に向かない不毛地帯でも高品質な作物が生産できるという特長があるという。

 竹之内さん「アイメックフィルム栽培の導入には巨額な費用がかかるが、おいしいトマトでブランドをしっかり作り、売り上げを立て、利用者に高い賃金を払っていきたい。利用者一人一人にはしっかりと自立した生活を送ってほしい」と話す。

 新しいトマトの栽培導入を今年9月に始め、11月ごろには出荷する予定だという。同社の野菜は直売所で販売するほか、原木や行徳の「ベルク」「ヨークマート」各店にも並ぶ。

 営業時間は9時30分~15時。土曜・日曜・祝日定休。

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