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「船橋のなし」の豊水と市内菓子製造業などのコラボ 蜜症のナシの有効活用

「蜜症」の梨は、時間が経つと症状が出ている部分が黒ずんでくるが、食べても害はない

「蜜症」の梨は、時間が経つと症状が出ている部分が黒ずんでくるが、食べても害はない

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 船橋市内の梨農家直売所で現在、「船橋のなし」の豊水を使った市内菓子製造業などとのコラボ開発が進んでいる。

 関係者によると、特定の農家だけでなく、市内全域、県内全体において販売できる「豊水」の数が減少傾向にあるという。「豊水」に多く見られる生理障害の一つ「蜜(みつ)症」という症状が出ている果実が例年よりも増加しているからだった。

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 「蜜症」はリンゴやナシなどの果実に現れる生理障害の一つで、梨の中では特に「豊水」に発症しやすい。症状が出ていても人体に害はなく、梨自体は食べられる。

 梨農家「船芳園」(船橋市二和東2、TEL 047-448-2158)の加納芳光さんによると、「現在は1日に出てくる販売できない梨は約30キロ分」という。果実を切ると果肉の一部が水浸状になり、切ってしばらく経つと黒ずんでくる。その見た目から、一般の人には販売できず廃棄しなくてはいけない大量の「豊水」の行き場に「どこか受け入れてもらえる店などないか」と悩んでいる農家があることも分かった。

 県からも毎年「豊水」における密症発生割合の予測値が知らされるなど、各農家は普段から発生を極力抑えられるよう気を配りながら栽培しているが、昨今の異常気象の影響も大きいと見られている。

 加納さんは「今年の『豊水』は思っていた以上に密症の発生数が多い。1年間かけて育てた梨を廃棄しなくてはいけないこともつらいが、多くのお客さまのご注文を断らなくてはいけないのが本当につらい」と話す。

 出荷できない梨についてJAいちかわ船橋梨選果場運営委員会事務局スタッフは「当選果場に納めている梨農家さんの場合、症状が出ている梨やキズがある梨など、通常の販売ができない梨については加工用として買い取り、梨ジュースやゼリーの原料としたり、イオン系列で販売されている梨味の缶チューハイの梨汁に使われたりしている」と話す。

 船芳園の加納さんは「個人でやっている農家は、販売できない梨を自分でどうにかしなくてはいけない。以前から交流のある、ふなばしアンデルセン公園内ジェラート店『アルトポンテ』の高橋さんや市内飲食店でコンフィチュールなどを製造している店舗などで密症の梨を引き取っていただき、商品に生かしてもらっている」と市内の店舗とコラボすることで蜜症の梨が有効活用されている。

 高橋裕武さんは「蜜症の豊水は品質的に全く問題なく、むしろおいしく仕上がっている!と感じるくらい」と使ってみた感想を話した。

 加納さんは「この異常気象は今後も続くと思うので、当園では豊水に変わる品種を育て始めた。実が付くようになるにはまだ時間がかかるが、先を考えると豊水の栽培は今の気候では難しいかもしれない。変化に対応していかなければ」と話す。

 豊水の収穫は今月いっぱいがピークになり、各園とも直売所開店と同時に販売できる分を店頭に並べ、売り切れ次第終了になる。

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