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キッチンカービジネスモデル大賞受賞「縁酉-ENTORI-」 船橋で始動

代表の小野木大悟さん

代表の小野木大悟さん

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 船橋市内の社会福祉施設に勤める小野木大悟さんが12月5日、金杉台にあるグル-プホ-ム「みかんの樹」(船橋市金杉台1)でキッチンカ-「縁酉(えんとり)-ENTORI-」を始めた。

グル-プホ-ム前に止まるキッチンカ-

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 小野木さんは20年、介護や障がいに関わる仕事をしてきた。その経験から、福祉施設の現場での人手不足の影響により外出や外食支援が思うようにできない現実を知り、最初は、誰もが来られるバリアフリ-居酒屋を運営したいと思ったという。しかし、キッチンカ-なら自分から施設に出向けることに気付き、小野木さんは動き始めた。

 今年の春、飲食店開業のプロデュ-スや、キッチンカ-の製造を手掛ける「ゾウケイ社」(宮城県仙台市)が行う「第1回キッチンカ-ビジネスモデル大賞」を知った小野木さんは、同企画に応募。大賞受賞者は、キッチンカ-を1年間無償で利用できるほか、ビジネスモデルの事業化へのサポ-トを受けられる。

 「社会の常識を上書きするキッチンカ-の提案」がキャッチコピ-の小野木さんの企画は見事、大賞を受賞。このキャッチコピ-には、「キッチンカ-を使い、なかなか理解されない障がい者施設や高齢者施設に対する近隣住民の偏見を無くし、交流が生まれる場を地域社会から作り上げたい」との思いを込める。

 屋号「縁酉-ENTORI-」の「酉」は十二支の酉のほかに酒を意味することから、「おいしいお酒と焼き鳥で人と人の縁がつながる」という思いも含む。

 「僕の強みは介護現場にいたこと。嚥下(えんげ)が低下している方にはとろみをつけたり、食べにくいものは小さくカットしたりして、食べる方が食べやすいように提供する」と小野木さん。メニュ-は焼き鳥のもも、ねぎま、つくね、えびの豚バラ、ナスの豚バラなど数種類に、きりたんぽも提供する。

 「目の前で焼くライブ感を楽しんでもらいたい。今後は施設前の路面で出店し、利用者の方も地域の方も自由に購入できる場にしたい。施設にどんな人がいるのか知ってもらうきっかけになれば。誰もが高齢者になり、障がい者になる可能性がある。高齢者や障がい者を知ることで、見方や感じ方が変わるのでは」と小野木さん。「施設や外出困難な方の自宅に『縁酉-ENTORI-』を、ぜひ呼んでほしい。誰もが楽しく、自分らしく生きられるような場にする。いつもの駐車場にキッチンカ-が来ることで、特別感を味わってもらえれば」とも。

 出店などの問い合わせは(TEL 090-8087-5516)まで。

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